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Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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University

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Michaelmas termが終わって、クリスマス休暇に突入した学生が帰省し始めると、少しずつ街から人が減ってきました。

昨日Lと話していたときに、大学進学率が話題に上がっていましたが、最近の「大学」進学率は昔と比べてずいぶん高くなっているとか。それは「大学」制度の仕組みと関係あるそうです。実感として大学生というのは、未だに英国では一種特殊なエリート層を形成している感じがするのですが、今でこそサッチャーさんの社会改革によって大学もそれぞれ私立機関になり、経営に心を砕くようになっていますけれど、サッチャーさんが大学改革をするまでは、英国には大学は50足らずしかなかったようです。Oxbridgeを始めとする、そういう古い大学はほとんどが人文学や社会科学を専門としていました。こちらの学制は、おおざっぱに言って、16歳までが義務教育ということになっています。Primary schoolは5歳から始まり、その後11歳でSecondary schoolに進んで、16歳でGCSEと呼ばれる試験を受けます。その後は、子供の適性と希望に合わせて、就職したり、職業訓練校や専門学校、そして大学受験のための準備学校(Sixth Form Collegeと呼ばれます)に行ったりするようです。Sixth Formは2年間ですが、その最後に学生はAレベルと呼ばれる3,4科目の試験を受け、Aをたくさん取れば取るほど希望する大学に入れる確率が高くなるという仕組みだそうです。(知れば知るほど、ハリー・ポッターはこの制度を忠実に守っているなぁと思います。ハリーはSecondary schoolとsixth formの期間をホグワーツで過ごすのですね♪)Cambridgeなどは、Bが一つでもあると致命的だとか。良くできる学生ばかりだというのも頷けますね。

サッチャーさんの大学改革で一番大きかったのが、大学を増やしたこと。彼女はそれまでPolytechnic(ポリテク)と呼ばれていた、大学レベルの総合技術専門学校をUniversityに格上げしました。例えば、ここケンブリッジにもAnglia Ruskin Universityという大学があって、ここはその改革時に「大学」に昇進したポリテクだそうです。ポリテクはengineeringやhealth science、educationなどを専門としていたところが多いようで、例えばケンブリッジ大学のHomerton Collegeは、教育学部と密接につながったコレッジなのですが、もとはポリテクだったそうです。(職業訓練校としてはregional collegeという学校がケンブリッジにはあるらしい。)う〜む、こんがらがってきましたね。ケンブリッジ大学はUniverisity(Faculty & Department)とCollegeの関係も特殊なのに、さらに「大学」の概念自体も日本とはだいぶ違うのですね。しかし、ポリテクは、ケンブリッジ大学関係者以外にも、まだ「ポリテク」として認識されているし、例えば前述のAnglia Ruskin Universityは、多くの人にAPUと呼ばれています(Anglia Polytechnic University)。ケンブリッジ大学の学生や教員以外もそのような区別をしているのが私には不思議なところなのですが・・・「でも大学なのでしょう?」と聞くと、「うん、大学なんだけどもとはポリテクなんだよ」という答えがよく返ってくるのです。(ケムの学生は言うに及ばず!)いずれにしても、「大学」の存在、進学という選択の重みが日本と全然違うのね、と言うことはよく分かります。

写真は先日行ったチャーチルコレッジに置いてあった看板↑。Oxbridgeの首相の数が書かれています。Camは昔から自然科学に強いのだから、首相の数を"even"(五分五分)にしなくても別にいいのにね・・・ちなみに今のトニー・ブレアさんも、Oxfordですね♪
by ellisbell | 2006-12-06 05:48 | society
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