Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
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セレブシェフ

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今日もケンブリッジはどんよりと曇り空。

何となく外出も億劫になって、今日は(今日も?)一日家でのんびりしていました。明後日テストなんだ!と焦っている隣人Nとは違って、同じくお部屋にこもっていても、私がゆったり見ていたのは、友達に借りたDVD、"BBC Food Heroes"のシリーズ。セレブシェフ、Rick Steinの食べ物番組です。彼がいわゆる"Celebrity Chef"としてテレビでもてはやされた最初のシェフのようですが、彼がさまざまな地方に行って、現地の自然の中でシーフードを調理したり(彼はシーフードで有名なシェフだそうです)、地元の食材を紹介したりする番組。コーンウォールではたっぷりとコーニッシュ・クロッテッド・クリーム(あのスコーンと相性抜群の濃いクリームです☆)をつけてスコーンを食べていたり、ドーヴァーのヒラメを調理したり、なかなかおいしそうな番組♪そう、英国のお料理はとにかくまずいことで有名ですが(まずいと言うより味がないのです。イギリスのテーブルには必ずお塩とコショウが置いてあり、みんな運ばれてきた料理に味も見ずに振りかけます)、ここ10年ほどでその英国料理界も変わってきたと言われます。確かにいろんなお料理番組をやっているし、セレブシェフたちがプロデュースしたレストランやready mealなどもブームになっています。

セレブシェフでもっとも有名なのは、やっぱりJamie Oliverでしょうか?Gordon Ramsayも大人気ですが、ジェイミーの方がさらに人気は上でしょうか。若い上にルックスもよくて、カジュアルな彼はテレビで一躍人気になったそうですが、給食改革で有名なシェフなのです。アメリカと並ぶ肥満社会の英国、成人の6割強が肥満だと言われていますが、ほんの2.3年前まで子供たちに与えられていた学校での給食は耳を疑うようなものでした。ほとんどが出来合いのジャンクフードや揚げ物で、フレッシュなお野菜や果物など全くといっていいほど使われていなかったとか。何と言っても子供ひとり当たりの給食にかけられるお金は37P(80円ほど)だったのですから。(実際、こちらで、お昼ごはんにポテトチップスとボリュームたっぷりのチョコレート・バー、そしてりんごなどをかじるだけの人が結構いることに驚きます。)2005年にジェイミーが学校給食の現状をレポートした番組は大きな反響を呼んで、2006年の秋からは、給食は脱「ポテトチップス、チョコレート、炭酸飲料」、そして毎回新鮮な果物や野菜を入れることが決まったそうです。栄養士さんがちゃんと栄養計算をしてくれる、日本の学校給食では考えられませんね。しかしそれでも子供にポテトチップスを持たせて学校にやる親が後を絶たないとか・・・逆に思春期になって、摂食障害に苦しむ若者たちも社会問題になっています。(痩せすぎモデルが去年、ヨーロッパのファッションショーでも問題になっていましたよね。)なかなか、食べ物を巡る問題はこの国も大きいようです。

先日、本屋さんでジェイミーの新刊本が£6オフになっていました♪私も買って試してみようかなぁ・・・

写真は、年明けに行ったリバティのカフェのクランペット。これも代表的な英国のティーフードです。温めて、たっぷりのバターとはちみつをつけると、この穴にしっかりとしみこんでおいしいのです♪しかしここはさすがに高級感あふれるリバティ、おしゃれな3種類のジャムと一緒に出してくれました☆
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by ellisbell | 2007-01-09 05:30 | society

Chester

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今日のケンブリッジはお天気も良く、小春日和。学生たちも続々と街に帰ってきて、いつも通りの学生の街が戻ってきました。

さて、年末のウェールズ旅行。北部ウェールズへの拠点となるのは、北部イングランド、チェスターの街です。ウェールズへ向かう電車の乗り換え駅なのですが、単に通過するだけではもったいない。この街はイングランドでもっとも中世の面影が残る街として有名なのです。その歴史はローマ時代までさかのぼることができ、アルフレッド大王の娘がヴァイキングを撃退したという物語が残る、古い街です。旧市街を城壁がぐるっと取り囲み、街の中にはチューダー様式の古色歴然たるおうちが建ち並びます。せっかくですから、ディー川の流れるこの美しい街にもう一泊することになりました。

ヨーロッパではどこでもそうですが、街ができた後に鉄道が敷かれたので、鉄道駅というのはだいたい街はずれにあります。この街も、駅から旧市街まで徒歩20分くらい(ケンブリッジもそれくらいです)。城壁がみごとに残っている様子は、北部イングランドの中心都市ヨークを彷彿とさせます。まずは予約してあるB&Bに荷物を置きに行きましたが、今回のB&Bはディー川を臨む城壁の上にあるゲストハウス。古い英国の家はどこでもそうですが、床が傾いているのも、歴史を感じさせます(笑 地震のある国日本では考えられませんが、こちらは19世紀のおうちでも新しいと考えられています!)。荷物を置いて外に出たら、ディー川沿いから美しい夕焼けが見えていました。4時前には暗くなってしまう12月の英国、この日はあちこち回ることはできませんから、街をぶらぶら歩いて、歴史あるパブでごはんを食べて帰ってきました。そういえばウェールズで、「これからどこに行くの?」とよく聞かれ、「チェスター」というたびに、「ああ、お買い物だね、女の子は買い物が好きだから」という反応が返ってきていました。(ちなみに英国ではクリスマスの次の日、ボクシング・デイからいっせいにセールが始まります!)街に着いて納得。そんなに大きな街ではないのですが、ウェールズの田舎と比べると、たくさんのお店が集まるショッピングモールがたくさんある街だったのです。ウェールズから、お買い物に来る人もたくさんいるのでしょうね。考えてみると、この街は昔から商業都市として栄えていたのだから、それも当然でしょうか。

チェスターといえば、有名なのはロウズ(The Rows)と呼ばれる木組みの美しい商店街↑。上階部分がつながり、お天気の悪い北部イングランドでもお買い物がしやすい構造になっています。チェスターは、チューダー様式の、この白壁に黒い木組みのおうちが有名な場所なのです。素敵なティールームなどもあり、有名なチェシャー・チーズを売るお店もありました。そう、ここはチェシャー州。ルイス・キャロルの生誕地も近いのです(非常に残念ながら、車でないと行けないようなところなので、今回は涙をのんで断念!悔しい!!)。「アリス」に出てくるCheshire cat(チェシャー猫)は、チェシャー州名産の大きな猫型チーズを、後ろからかじっていった姿だと言われていますが(だから、"grin without a cat"「猫のいないにやにや笑い」というものを彼が発明したという説があるくらい!)彼(?)のふるさとです。みごとな大聖堂も持つ、かつての繁栄を思わせる街。風が強くて寒かったけれど、城壁を歩きながら、歴史を感じた街でした。

これで西部への旅は終わり。旅をするたびに英国がさまざまな顔を持っていることに驚かされます。またどこかに行きたくなるような旅でした。
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by ellisbell | 2007-01-08 06:10 | trip

くるみ割り人形

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今日は、珍しく一日中、雨。

意外かも知れませんが、一日雨が降っているという天気は本当に珍しいのです。中学校の英語で「イギリスのお天気は一日に四季がある」と習った通り、晴れていても突然雨が降り、すぐに止むことがほとんど。あるいは霧雨のような雨。だから、傘を使うなんて一年に5,6回くらいしかありません。(日本から2本も傘を持ってきてソンした!と思っているくらいです。笑)でも、今日は一日しょぼしょぼと冷たい雨が降り続く中、バレエ"The Nutcracker"を見に行って来ました。

ホールはケンブリッジのCorn Exchangeという劇場。その名の通り、おそらくかつては穀物の取引場として使われていた場所なのでしょう。ロンドンの豪華な一流劇場とは違いますが、とても庶民的でおもしろい劇場です。今日の公演はロシアからのバレエ団によるものでした。それほど広くない簡素な劇場ですが、今日だけの公演だからか、たくさんの観客でいっぱいでした。マチネだったこともあり、こちらにも子供たちがたくさん見に来ています。何と言っても演目も「くるみ割り人形」。楽しいバレエですものね。照明の具合がおかしいということで20分以上遅れての開始でしたが、この辺りも庶民的です!

舞台自体は、前回の「アリス」と違って、正統派クラシックバレエですから安心して楽しめます。くるみ割りはクリスマスの定番ですが、まあ今日までクリスマスということで、いいことにするべきですね(笑)。衣装も素晴らしく可愛らしいし、クリスマスらしい華やかな舞台。チャイコフスキーの華麗な音楽に乗って、素敵な舞台が繰り広げられていました。ロンドンの大劇場と違って舞台がとても近いので、お菓子の精たちのさまざまな衣装も、細かいところまでよく見えて、とても楽しめました。久しぶりに見た「くるみ割り」、グラン・パ・ドゥ・トゥでのリフトの多さに驚きましたが、さすがにチャイコフスキーの古典は超絶的な技巧を要求されるものが多いのですね。手足の先まで神経を行き届かせたバレリーナたちの動きは本当に美しく、人間の身体が華やかに、軽やかに、宙を舞う様子はうっとりするほどです。entertainingで華やかな舞台で、素敵だったと思います。周りの子供たちも魅せられたように舞台に見入っていました。小さい頃からたくさんこういう機会があるのっていいことですね。クリスマスのパントマイムにもたくさんの子供連れが並んでいましたが、伝統的な冬の楽しみである舞台を、たくさん見て育つ子供たちはいいなぁと思いました。

外に出たら、冷たい雨は未だ降り続いていましたが、冬らしい楽しみに心も浮き浮きと帰ってきました。
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by ellisbell | 2007-01-07 05:32 | culture

Wales(Caernarfon編)

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今日は1月5日。Twelfth Nightです。

12日続いたクリスマスのお祝いが終わり、クリスマスの飾りをはずす日。コレッジにはgreen officerというのがいるのですが、メイルが回ってきました。今夜は飾っていたクリスマス・カードなどをはずしましたが、捨てる前にリサイクル・ボックスに入れてくださいとのお知らせです。私はもちろん捨てないからリサイクルにも出しませんが、やっぱり環境保護の意識は高いです。

c0105386_4374569.jpgさて、ウェールズ、二つめの目的地はカーナーヴォン。ここのお城は昔から絶対に見たいと思っていました。電車は通っていない港町なので、バンゴールからバスで30分ほど揺られていきます。街について、まず驚いたのがカーナーヴォン城の大きなこと!↑世界遺産のこのお城を見るためにたくさんの観光客が訪れる街ですが、街自体は城壁に囲まれた、小さくてひっそりとした中世の街です。石畳の可愛らしい街に対して、とにかく巨大で威圧的なお城。そう、このカーナーヴォン城はウェールズ征服の最大の拠点となった場所なのです。そして、ウェールズを合併したエドワード一世は、ウェールズ人に自分たちがよく思われていない(当たり前ですが)ので、その心をつかもうと、王妃エリノアをこの城に呼び寄せて、そこで男児を産ませたのでした。そして、生まれた王子は、Prince of Walesという称号を与えられることになるのです。そう、これが、英国皇太子の称号、Prince of Walesの始まりだというのはとても有名な話ですね。現チャールズ皇太子も、このお城で1969年にこの称号を与えられています。

入ってみると、アイアン・リング最大、そして最強の城と呼ばれるゆえんがよく分かります。大きくてとても壮麗なお城。西側、南側を海と川に面しているので、交通の便がとてもよく、要塞としての立地も完璧だそうです。芝生の中庭を囲んで回廊が通り、8つの塔は今も健在。昔の威光がしのばれる、素晴らしい古城でした。そして、芝生の真ん中にある円形の印↑。ここがチャールズ皇太子の叙任式を行った場所だと書かれていました。当時のイングランドの権勢がよく分かります。とにかく巨大で立派な、そして美しいけれども威圧的な、存在感のあるお城でした。周りの城壁も中世そのままで雰囲気のある街だったし、この街も、美しい趣のある印象的なところでした。ウェールズ、美しい国です。

c0105386_436585.jpg夜に近くのパブでウェールズ名物のラムを食べました。そして、ウェールズの地のビール。ウェールズはスコットランドよりは低いけれども「山」を持っていますから(ブリテン島には大きな山はほとんどありません)、こちらの水は磨かれて軟水になるそうです。(ケンブリッジのお水は、平坦なイーストアングリアを通りますから、もっとも硬度が高いらしく、Cambridge water is terrible!と英国人ですら言います(笑)。)「名前を覚えられないから、写真を撮ってもいい?」とバーメイドに聞いて撮っていると↑、そばでお客さんとウェールズ語でしゃべっていたおばさんが突然、「そんな写真おもしろくないわよ、中に入りなさい」!とやってきました。そしてカウンターの中でコックを握るようにとの指示に従うと、その写真をぱちり。"Our new barmaid!"と大笑いしながら、正しいウェールズ語の発音を教えてくれました。(何度もやり直しさせられました・・・難しい!)ウェールズの人たちもおしゃべり好きで親切なのは、やっぱりケルト系の血をひく人々だからでしょうか。素敵な街でした。ここから、北部イングランドに残る中世の街、チェスターに向かいます。
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by ellisbell | 2007-01-06 04:46 | trip

Wales(Conwy編)

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冬至を過ぎて2週間。緯度の高い英国では少しだけ日が長くなったように感じられます。

とは言っても、まだお部屋の窓から通りを挟んで見える3階建てのおうち以上に太陽が昇ることはなく、弱々しい光であることには変わりありません。旅行には不向きな季節ですが、Wales北部の街を年末に訪れました。今回行ったのはConwy, Caernarfon,そして、北部イングランドの街Chester。すべて、古い中世の風情の残る素敵な街でした。

上に書いたConwyそしてCaernarfon、発音できるでしょうか。コンウィはそのままですが、もう一つはカーナーヴォンという発音になります。ウェールズというのは、13世紀にエドワード一世によってイングランドに吸収されてしまった地域ですが、今も強い独自のアイデンティティを持つケルトの血を引く文化を持つ場所です。ウェールズに入ると、すぐに駅名や交通標識、観光地のパンフレットからゴミ箱に至るまで、ウェールズ語と英語の二カ国語表記になります。スコットランドよりも早く吸収されてしまっているので、現在はスコットランドほどの自治権は認められていませんが、ウェールズ語は学校でも教えられているし、実際にあちこちで耳にする生きている言語であることに驚きました。若いお母さんが子供をしかっている言葉が耳慣れず、??と聞いているとどうやらウェールズ語らしい、などということがありました。アーサー王伝説や妖精譚をはじめ、さまざまな文化の宝庫でもあります。首都はカーディフですが、今回は北部イングランド、特にエドワード一世が築いた古城を二つ見てきました。

コンウィはコンウィ川のほとりにある、小さな城壁に囲まれたのどかな街です。11月から3月までしまっているお店も多いし、電車で行く人は少ないのか、チェスターを出た電車は途中からリクエスト・ストップになります。車掌さんが回ってくるので、大あわてで「コンウィでおろしてください!」と頼んで、電車の方がホームより長いため、一番前のドアからしか降りられない、小さな駅に降り立ちました。駅につく直前、トンネルを抜けたところで海側に古いお城と白い吊り橋が見えます。エドワード一世が北ウェールズ征服のために築いた10のお城はアイアン・リングと呼ばれるそうですが、これはその一つ。美しい中世の古城でした。残念ながら雨が降っていましたが、廃墟となった古城のすべりやすい階段を危ない足取りで上ると、今では屋根がなくなってしまったその姿がみごとに見えます。保存状態は非常によく、建物の外側と塔がみごとに残っている上に、19世紀にかけられた白い吊り橋が、古いお城にとても美しくマッチしています↑。ウェールズの人々に取っては、エドワードの征服の証ですから、複雑な思いなのでしょうけれど、美しい古城でした。

この街にはイギリスで一番小さな家というのもあり、わずか高さ3m、幅1.8mの小さな家も一応見てきました。しかしそれよりもこの近くで見てみたかったもの、それは世界一長い名前を持つ電車の駅。
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コンウィからアングルジー島へ渡った最初の駅です。その名も"Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch"(もう一つどうしても大きな写真で載せたかった・・)。ウェールズ語ですから読めませんよね。意味は、"Mary's Church by the white hazel pool, near the rapid whirlpool, with the Church of Tysilio by the Red Cave"(激しい渦巻きと赤い洞窟のそばのティシリオ教会に近い白いハシバミのくぼ地にあるメアリー教会)だそうです。ウェールズ語ではllを[thl]と発音するそうで、ここは略して「スランヴァイル」と呼ばれています。単に写真を撮るためだけの、8分間の滞在でしたが、大満足♪

そしてカーナーヴォンに向かいました。続きはまた明日書きます。
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by ellisbell | 2007-01-05 06:20 | trip

「不思議の国のアリス」

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ロンドンに、English National Balletの公演、Alice in Wonderlandを見に行ってきました。

c0105386_7141317.jpg今日は日帰りのロンドン。50分でロンドンに着きますから、便利なものです。友達と待ち合わせて、お昼は中華街で飲茶をいただきました。久しぶりの飲茶、おいしかったです。食べ過ぎで眠くなるのを防ぐため、しばらくコヴェントガーデン周辺を歩き回って、目的地、London Coliseumに向かいます。ナショナル・ポートレイト・ギャラリーのお向かいにある大きなホール、今の演目は「不思議の国のアリス」。バレエで「アリス」なんて聞いたことがなかったので、とても楽しみにしていました。きっと英国のモダン・バレエだろうと思っていたら、何と楽曲はチャイコフスキー。?が頭を飛び回っていましたが、席に着いてプログラムを広げてようやく納得。チャイコがもともと「アリス」のために曲付けをしたわけではなく、バレエにアレンジする際に、チャイコの曲を使ったということでした。マチネのせいもあり、精一杯着飾った子供たちもたくさん来ていました。きっと未来のバレリーナを夢見ているのでしょうね。ほとんど女の子たちで、可愛らしかったです。

c0105386_7145885.jpg最近ロンドンのあちこちで宣伝されているのは、冒頭に出した、このかわいらしいアリスのポスター。私たちがイメージするアリスの通り、ブルーの服に白のエプロン、そして金髪のアリスです。バレエですから台詞はなく、舞台装置も驚くほど派手なものはありませんでしたが、よく知られた物語だけあって、かなりヴィジュアル的にもイメージ通りの舞台が作り上げられていました。ほとんどのキャラクターがきちんと着ぐるみを着て、美しく踊りあげるのには、さすが!と思いました。内容としては、バレエとして初演されたのが1953年ですから、クラシックバレエ的な美しさと、モダンなダンスパフォーマンスがバランス良く組み合わされていて、素敵な舞台でした。また舞台照明の色遣いとハイライトの当て方がとてもうまくて、ダンサーの動きに、例えば緑色の照明が組み合わされることで、「ああ、彼はイモムシだ」とすぐに分かるように作り上げられています。(イモムシさんのパフォーマンスが最高に美しい動きでした♪)夢の中なのでナンセンスな部分を舞台の上で視覚化するのは難しいと思いますが、良くできた演出だったと思います。

ただ一つ違和感があったのは、とてもとても美しい舞台だったこと。バレエですから、本当にすべての動きが美しく、どんなに奇妙な生き物の衣装を付けていても、いったん踊り出すととても美しいのです。バレエとしては、だから、素晴らしかったのですが、原作のグロテスクな部分が出ていなかったのが少し残念でした。アリスは何と言っても、「言葉」が重要な物語だと思うのです。その意味で、身体ですべてを表現することに、もちろん素晴らしい芸術表現ではありましたが、アリスの物語としては少し違和感を感じました。ただ、アリスの物語は、よく知られているように、キャロル自身が挿絵をつけて最初に書きましたし、出版の際にもジョン・テニエルとしつこく協議してテニエルの挿絵をつけて出版しました。その絵も物語と同じくとても重要な「本の一部」だし、その意味ではヴィジュアルもとても大事な部分なのですよね。そしてテニエルの挿絵のグロテスクさもある程度は表現されている舞台ではあったのですけれど・・・やっぱり美しかったです。

バレエを嫌ったルイス・キャロルは、さて、この素敵な舞台をどう思ったでしょうか。
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by ellisbell | 2007-01-04 07:15 | literature

the meaning of life

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クリスマス・ホリデイが終わった英国では今日(1/2)から通常の日々が始まりました。

今朝は、年末に届いていて取りに行けなかった小包を取りに、近くの郵便局へ行きました。いつも一つしか窓口が開いていなくて、ブスッとした局員さんが対応してくれるのですが、今日は珍しく二つあいていました。私が受け取りにサインしていたら、もう一つの窓口に小包を抱えたおばさんがやってきました。"Please send it as cheap as possible within 5 days."というおばさんに、局員の女性は"donkey!"と一言。"Pardon?"と問い返したおばさんに、彼女は再度「ロバね!」。そこで全員が大爆笑(笑)。彼女もきっと素敵なホリデイを過ごしてご機嫌なのでしょうね!

年末に友達のラボにおじゃまして、生まれて初めてDNAというものを見せてもらいました!ケンブリッジはさすがに自然科学に強く、幹細胞でノーベル賞を取ったのもこの大学の研究者だったとは、その時に初めて知りました。最近彼女と、いろんな人が集まるたびに、what is (the meaning of) life?という話をすることが多いのですが、集まった人はそれぞれに研究分野が違うので、考え方も違っているのがおもしろいです。その時は、DNAというのがいかに生き物を作り上げ、機能しているのかを熱心に二人の科学者が語ってくれましたが、新鮮でとてもおもしろいお話でした。MBAを目指している別の友達はまた違う側面で人生をはかり、哲学者の友達はまた別の側面から人生を見ています。結局は人間の一生というのは、自分にとっての人生の意味を見つけるための壮大なる過程なのだろうと実感するこのごろです。

昨日はのんびりしていたので、夜に"Ladies in Lavender"(ラヴェンダーの咲く庭で)というDVDを見ました。大好きな女優Judi Denchが主演しているので、日本で公開されていた時から見たかったのですが、見逃してしまっていた映画です。第二次大戦直前のコーンウォール。二人きりで暮らしている年老いた姉妹が、嵐の後の海でひとりの若い男性を見つけます。彼は素晴らしい才能を持ったヴァイオリニストで、次第にひとりの老嬢は彼に恋をします。昔ながらの村で彼女たちはいかにもイギリス的に排他的な上流階級としての地位を保っていますが、その村に来ているドイツ人の型破りな若い絵描きの女性が、そのヴァイオリニストの才能を見つけ、姉妹を出し抜いて、彼をロンドンに連れ出し、彼には成功の道が切り開かれることになるというストーリー。古い、時間の止まったような村で満足して暮らしてきた姉妹に、彼がもたらす興奮と喜びは見ていてほほえましくなるようなもので、特にジュディ・デンチが演じる、初恋を感じる老嬢は、控えめながらも彼女の切なさをみごとに伝えてきます。言葉や身振りが抑制されていても、その表情でみごとに感情を伝えてくる二人の大女優の演技は素晴らしく、時に迫力があります。満足して自分たちの人生を終えようとしていた老姉妹。彼女たちにとっての人生の意味も、この一つの出会いによって大きく変わってしまう様子が、哀切を込めて描き出される映画でした。絵描きに無理に説き伏せられ、別れも告げられずにロンドンに発ったヴァイオリニストを夕食に待つ姉妹の姿、最後に彼のコンサートに二人で出かけて、ひっそりとパーティ会場を抜け出してコーンウォールの小さな村に帰る姉妹の姿。演出的に、あまりにセンチメンタルな部分もありますが、時に少女のようで、時に母親のような、ジュディ・デンチとマギー・スミスの姿がとても印象的な映画でした。(そしてとてもイギリス的な映画でした!)
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by ellisbell | 2007-01-03 05:06 | miscellaneous

Holiday

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2007年は風の強いケンブリッジで迎えました。

今日は朝からいいお天気。暖かくて本当に春のような日和でした。海老芋も丸餅もないけれど、朝からお雑煮を作りました。実家からやってきた昆布と鰹節でお出汁をとって、懸案のOrganic sweet white misoも想像通りの普通の白味噌だったし、昨日3軒も探し回ってようやく見つけたお大根もちゃんと準備できて、ケンブリッジでの白味噌お雑煮です。一日のんびり過ごしたお正月でした。

10日間のクリスマス・ホリデイは今日で終わり。明日からこちらは通常の生活に戻ります。今回のホリデイは、ほとんどロンドンで過ごしていたような感じです。弟たちと一緒に訪れたロンドンは霧に覆われていて、いかにも冬のイギリスというイメージそのものでした(昨日の写真はその時のものです)。ウェストミンスター寺院にも久しぶりに行きましたが、生前あれだけ確執のあったエリザベス一世とメアリ一世(エリザベス一世の異母姉)が同じお墓に葬られていたり、戴冠式の玉座(スコットランドの王位継承の象徴であるスクーンの石が、1996年に返還されるまで英国王の戴冠式の椅子の下にはめこまれていました)を見てスコットランドとイングランドの確執に思いをはせたり、Poets' cornerという作家たちを記念する部分では、作家ジョージ・エリオットの記念碑(本名はMary Anne Evans、妻子ある男性と駆け落ちしたためにヴィクトリア朝社会からはつまはじきにされ、偉大な作家としての名声を得たにもかかわらずウェストミンスターに葬ってもらえなかった作家です)に時代の変化や感慨を感じたり、昔は知らなかったこと、気付かなかったことを今回はいろいろと感じ入って、おもしろかったです。冬のオランジェリー(ダイアナさんの住んだケンジントン宮殿にあるカフェ)でランチも楽しみましたが、やっぱり季節が変わるとそれぞれ趣も変わって素敵でした。

24日のキングスの礼拝はケンブリッジで楽しみましたが、本当に最初のボーイソプラノは身体が震えるような美しさでした。噂によると(本当かどうか分かりません)、全世界に放送されるこの礼拝の幕開けとなるボーイソプラノのソロ、誰が歌うことになるかは直前まで聖歌隊員にも知らされないそうです。本番前にテストをして調子を見て、いざ行列にでるときにソリストはポンと肩を叩かれるのだとか。伝説的な礼拝ですが、本当に素晴らしいものでした。ロンドンに戻って深夜の礼拝、キャロルも今年は何度歌ったことでしょう。本当に荘厳な穏やかなクリスマスでした。c0105386_5134653.jpg25日は一日のんびり友達とお話をして過ごし、26日からのセールに備えます。26日はボクシング・デイ(boxー昔、召使いたちに日頃の感謝を込めて、この日にギフトボックスを贈ったところから来る名前だそうです)、クリスマスセールの初日です。物好きにもOxford streetに出てみたら、すごい人混みでした(これは大型デパート、セルフリッジ)。祝日なのでまだしまっているお店も多く、私は何もこの日は買いませんでしたが、ロンドンのエネルギーを感じました(笑)。あるイギリスのハイストリートブランドのお店は、次の日何と朝の5時から開店し、人でごった返しているのを二階建てバスの上から見ました・・日本の初売りをちょっと思い出したりしました。

ホリデイ・シーズンも終わり。これから大学はLent termに入ります。日本のみなさんは、まだもう少しお正月休みですね。のんびりゆっくり過ごされますように♪

冒頭の写真はウェストミンスター寺院、Poets' cornerのルイス・キャロルの記念碑です。
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by ellisbell | 2007-01-02 05:14 | miscellaneous

A HAPPY NEW YEAR!!

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新年あけましておめでとうございます。

英国も2007年になりました。日本にいる家族や友達から9時間遅れての新年です。こちらの新年は、カウントダウンのお祭り騒ぎで始まりました。メンバーが入れ替わりながら友達と5,6人で晩ご飯を楽しく食べて、それからクラブでのダンスパーティ。今日はカウントダウンイベントのためか、入場料が必要な上に年齢チェックもされていたので、クラブの前にはいつものごとく、英国名物のqueueができていました。ビールやPimm's(も、とても英国で人気のあるお酒です)など飲みながらしばらく話して、11時からダンスフロアに降りました。1時間前からDJさんが「2007年まで後1時間!」とか「50分!」とかカウントダウンを始めて、最後は全員で手をつないだり肩を組んだりして、ぴょんぴょん跳ねながらの年越しです。知っている人とも知らない人ともHappy New Year!!を言い合って、帰ってきました。(イギリスのパブは気楽な場所ですが、この国ではアルコール中毒や酔っぱらいの事件が大きな問題なので、確かに飲み過ぎて一部おかしくなっている人たちもいました・・)新年の抱負をみんなで言い合ったので、少しでも実現に向けて進めばいいなぁ。(ちなみに私の抱負は「もっと和食を上手になる!」です。)

みんなに日本のお正月はどんなの?と聞かれましたが、静まりかえった、寒々とした、深夜の鐘の音が懐かしいです。小さい頃にお寺に鐘をつかせてもらいに行ったりしたことを思い出しましたが、やっぱり英国人にとってのクリスマスのように、日本人にとっての家族でのお正月って特別ですね。おせちはありませんが、明日の朝はこちらでもお雑煮を作ります。(Organic sweet white misoというのが、日本のちゃんとした白味噌のお味であることを祈ります・・)寒くはないけれども風の強い、ケンブリッジの新年です。

皆さんはどのような新年をお迎えになりましたか。皆さんにとって、2007年が素晴らしいものでありますように!!
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by ellisbell | 2007-01-01 10:02 | society


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