Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
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またもや

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先ほど帰ってきました。

2度目の、Burns Night Formal Hall。(電車に閉じこめられて行けなかったPembrokeのフォーマルも、本来ならBurns Nightだったはずだったのですけれど。いずれにしても、2回目です。)またまた違うコレッジのフォーマルだったので、雰囲気も全然違うし、楽しかったです。そして、またまた試してきました、例のハギス。先週の我がコレッジのフォーマルに来られなかった友達のLと歩いてコレッジに向かいながら、「ハギスって何?」と聞かれ、「ハギスって言うのはね、スコットランドにしかいない特別の動物で、心の汚い人には見えないんだよ」とからかっていたのですが(「あなたは見えたの?」と聞かれ、「もちろん♪」と答えたところでした!)、フォーマル最初の挨拶で、"The 'stomach' is waiting for us"と言われてしまってあっさりバレてしまいました(笑)。お味は・・・やっぱり、作る人によって違うのですね!!

再度ceilidh(ダンス)も楽しみ、疲れて帰ってきました(今日は、ウィスキーはナシ!!健全です☆)。詳細ご報告の日記は、また明日ゆっくり書きます。皆さま、おやすみなさい。

写真は今日のケム川。Magdalene Collegeです。
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by ellisbell | 2007-01-31 08:46 | Cambridge life

スーパーマーケット

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英国は私の大好きな国です。

でも、やっぱり文句はたくさんあります。特にこの国で許せないのは、サービス業の質の低さ(いつもいつも愚痴っていますが)と、サランラップ!!!先ほども晩ごはんの後片付けをしながら、あまりに質の悪いサランラップにイライラさせられました!!切れないし、くっつくし、このひどさはこちらで住んでいる日本人の方、誰でも文句をおっしゃいます。ここにいると、日本製品というのがどんな分野でもどんなに素晴らしいのか、つくづく思い知らされます。(最近、私の頭の中では"Made in Britain"というのは「粗悪品」と自動翻訳されています。orz)そして、日本の消費者は世界一厳しいというのもよく分かります。ここではスーパーなどでも、カビの生えたお野菜が堂々と売られているのを見かけることはしょっちゅう。しっかり自分の目で見て確かめないと、お野菜一つ買えません。お菓子の袋が破けているなんていうのもよくあることだし、お砂糖や小麦粉もしょっちゅう漏れだしています。

1ポンドが240円を超えた(らしい)現在、こちらの物価は本当に驚愕するほど高いです。先日、「日本から来てもそう思う?」と聞かれましたが、(住んだことはないけれど)東京の物価と比べてもこちらの方がずっと高いと思います。税金が18%もかかることももちろん大きな理由なのでしょう。ただしこれもよく分からない話で、staple foodには税金が低く設定されていて、贅沢品には高く設定されていると言われます。例えばミルクは安いけれど、チョコレート入りのミルク飲料は高い、とかそういうことですが、何が必需品で何が贅沢かは誰がどうやって決めているのか、実際にはさっぱり分かりません!!!ただ、この異常に高い税金が社会福祉の充実に回されているのも確かで、例えば外国人の私でも、この国に半年以上住んでいれば無料で医療を受けることができます。(逆に社会問題にもなっていて、シングルマザーは福祉費をたっぷりもらえるから、結婚しないカップルも多いそうだし、仕事をしない若い人も増えているとは聞きます。)居心地のいい個人主義はイギリスの特徴ですが、本当に個人主義が社会経済や倫理面でも徹底しているアメリカとは違って、政府が国民のために何とかするべきだという風潮は根底にあります。

昨日、友達と話していた中で、大手スーパーマーケット・チェーンのセインズベリーズが文化事業を行っているという話が出ていました。例えばビル・ゲイツさんのように、チャリティが個人のレベルで行われるべきアメリカと、国、大企業のレベルで行われるべきイギリスでは、考え方もずいぶん違うというのが昨日の話の中心点だったのですが、例えばフェア・トレードがこれほど当たり前になっているのも考え方は近いのでしょうね。スーパーが日本と同じく小売店を逼迫している状況も考えつつ、今日は地元の市場でお野菜を買って帰ってきました。

街はすっかりヴァレンタイン商戦。新しいチョコレート・ショップができていたので、今度試してみなくては!!
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by ellisbell | 2007-01-30 05:43 | society

本屋さん

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英国の乾燥はひどいです。

それほど気温が下がっていないこともあって、夜にはお部屋の暖房は切っています(バスルームだけつけっぱなし)が、フラットにはセントラルヒーティングが入っているので、建物自体が冷えることはないせいか、夜にぬらしたタオルを掛けておいても、朝には乾いているほど。ここしばらく軽い咳が続いているので、飲み物が手放せません。お茶アディクトなので、日本のお茶4,5種類+紅茶、コーヒー、ハーブティーをお部屋にも取りそろえていますが、最近のお気に入りはオーガニック・ペパーミントティー、トワイニングのオレンジ・マンゴー・シナモンのブレンドティー、そしてドクター・スチュワートのグリーンティー・チャイ。身体が暖まります♪

昨日はお天気が良すぎておうちにいるのがもったいなくなって、ぶらぶらとcity centreの本屋さんを回っていました。京都で、あの丸善が撤退して悲しい思いをしたことは以前に書いたことがありますが、ここケンブリッジはまだまだ本屋さんがたくさんあって、どの本屋さんも繁盛しています。大型の本屋さんだけでも4つが歩いて5分ですべて回れる円の中に入っているのですが、小さな本屋さんや専門書を扱うお店、そしてもちろんケンブリッジ大学出版局(Cambridge UP)、古本屋さんなど数えるときりがないくらいたくさんの本屋さんがあるので、本好きには格好の街だと思います。小さな路地の古本屋さんなども好きなのですが、昨日は探している本があったので、Galloway&Porterという本屋さんから、本屋サーフィンをスタートしました。

日本の書籍は再販制度によって定価販売が義務づけられています。だから本屋さんは出版社との契約によって、本の値引きをすることができません。その代わり、仕入れた本が売れなかった場合、出版社に戻すことができるのですよね。これによって流通している本の種類の多様性が守られていて、本屋さんにベストセラーしか並ばない、などという事態を避けることができるのです。ところがここ英国では再販制度はありませんので、本は簡単に値下がりします。(アマゾンが今ほど普及していなかった学生時代は、イギリスやアメリカに行くと、出会った本を「再販制度がないから」「出会いものだから」といってよく買いました・・・おかげで読まないままの洋書が家にはたくさん積んであります!)昔、初めて来た英国で"£○OFF"という本を見たときにはびっくりしました。今も、たくさんの本が、大型の本屋さんで、英国名物"3 for 2"(と勝手に呼んでいます)で売られていて、つい読まない本まで買ってしまいます(笑)。その上、在庫として余った本をまとめて安売りする専門の本屋さんもあるのです。それがGalloway&Porter。お店の前には"£1"で投げ売りされている(傷物)新刊本がずらり。ごちゃごちゃした店内ですが、掘り出し物を見つけられたらラッキーなので、とても楽しい時間つぶしになります。

昨日探していたのは友達お勧めのお紅茶とお菓子の本。古いから、ここにならあるかも知れないと言われて探しに行ったのですが、残念ながら、見つかりませんでした。(ジェイミーのイタリアンを発見、1500円のお値段に心がぐらっと動きましたが、イタリアンが欲しい訳じゃないしなぁ・・・)それでも2時間ほど見回って3冊の本を購入、計£12.95。定価の半額以下です。古かったり、ちょっと折れたり、線が入ったりしているものですが、旅行に持っていく読み切り本には十分。日本にもこんな制度があればいいのになぁ・・と思ったお昼下がりでした。
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by ellisbell | 2007-01-29 06:07 | society

Aussie Open

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今日も晴れ渡ったケンブリッジ。

土日はいつもそうですが、city centreは、お買い物をする人たちでいっぱいです。キッチン用品のお店に入ったら、すでにたくさんヴァレンタイン用のデザートを作るための、ハート型グッズがあふれていました。女の子がチョコレートを贈るのは日本だけだけれど、こちらでも、ケーキ型などを見ている女性が多いです(ただし、年齢高め・・平均40代でしょうか!これは、休日になると高齢者が増えるケンブリッジだから??笑)。

今日はテレビで、テニス全豪オープンの女子シングルスの決勝をやっていました。昔、ちょっぴりだけテニスをやっていた私は、英国で初夏に行われるウィンブルドン選手権を偏愛しています。この初夏にも、ワールドカップ(もちろんサッカー)で沸き返る英国で、テレビにかじりついて生中継ウィンブルドンを見ていました。私にとってのウィンブルドンは、高校時代、ちょうど一学期の期末試験と重なる時期だったので、(昔からの宵っ張り生活で)真夜中にヴォリュームを絞ったBBCの英語放送を見ながら勉強したことと結びついています。だから、ウィンブルドンというと、真夜中に降る雨の音、そして、代数幾何や物理のテキスト(なぜか嫌いなものを思い出す!)、大好きだったシュティフィ・グラフや伊達公子さんのプレイを反射的に思い出します。日本でも静かに降り続く雨の音を聞きながら、ウィンブルドン名物の英国の雨を見ていた、それが私にとってのグランド・スラムの印象なのです。この夏に、コレッジのグラス・コートでテニスをしていたときには、(日本では芝のコートなんて手のかかるものはたくさんありませんから、)ウィンブルドンの世界☆と単純に思いました!ボールがとても重くなること、バウンドが少ないことに驚きましたが、だからこそウィンブルドンの試合はパワーより技術が要求されて、おもしろいのですよね。

観戦するのは、男子テニスより女子テニスの方がずっと好きです。そして、パワーテニスより、ため息の出るような角度やショットを見るのが好き。その意味で、ウィンブルドンが好きなのですが、最近は女子テニスもパワーの時代だと言われます。今日の全豪オープンの決勝もパワーテニスの代表、セリーナ・ウィリアムズとマリア・シャラポワ。直前まで膝の怪我でツアーを離れていたセリーナですが、今日はみごとな復活ぶりでした。アナウンサーが2002,03年のセリーナを見るようだと言っていましたが、"look at her eyes!"とのコメントからも分かるように、闘志みなぎるセリーナがわずか63分で優勝を勝ち取りました。素晴らしいショットがたくさん出て、おもしろい試合ではありましたが・・・この二人、うまいショットが出ても、ニコッとしないんですよね〜。>< シャラポワのお父さんは"Juri Fury"と言われているそうですが(笑 そういえば、お父さんの名前はJuri Sharapovなのだと知ってびっくり!さすがスラヴィック・・・固有名詞まで性変化するのですね!)、決まったときに嬉しそうな顔をするプレイヤーってあまりいないのでしょうか??でも、ノーシードからの優勝はセリーナが初めてだそうで、runner-upのシャラポワも、明日発表の世界ランキングでは1位になるそうで、どちらも大健闘の全豪オープンだったようでした☆
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by ellisbell | 2007-01-28 05:43 | miscellaneous

Burns Night

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昨日はBurns Nightでした。

スコットランドの国民的詩人、Robert (Robbie) Burnsの誕生日をお祝いする夜です。ロバート・バーンズという名前に聞き覚えがなくても、彼の代表作「蛍の光」(Auld Lang Syne)は誰でも知っているだろうし、"My love is like a red, red rose"の詩も有名ですよね。(スコットランド方言でたくさんの詩を書き、農民詩人とも評されると文学史では習ったような覚えがあります。)全世界でスコットランド系の人々、そしてバーンズを愛する人々が、彼のお誕生日を伝統にのっとってお祝いする夜。そして、それに欠かせないお料理が、昨日のハギス。(そしてもちろんスコッチ・ウィスキー!!)ハギスとは、本当は、羊の血や内臓を大麦と混ぜたものを羊の胃袋に詰めてゆでた、スコットランド伝統のお料理のこと。食べられない人も多く、私も今まで食べる機会も、勇気も!ありませんでした。

昨日のフォーマルは我がコレッジのバーンズ・ナイト。人気の高いイベントですから、早くから200人の定員がいっぱいになっていました。そしてここ1週間ほどMCRから何度も回ってきていたのは、ハギスに捧げる詩、"Address to a Haggis"を200人のゲストの前で "authentic scottish accent"で(笑)読み上げてくれる人材募集のメイルでした。もちろんスコットランドの民族衣装であるタータン・キルトの着用大歓迎のフォーマルです。実際、当日のpre-dinner drinkの時から、何人もキルトで正装している男性を見かけ、とても素敵な雰囲気でした。食前酒のシェリーを片手にしばらく談笑した後、いよいよホールに入ります。そして、いつものごとくフェローをハイテーブルに迎え、ドラがなって、ラテン語のお祈り。そしてその次がメインイベント、ハギスの登場。ちゃんとキルトを着用した男性がscottish accentで詩を朗読してくれました(もちろん私はほとんど何を言っているのか分からず!!)。そして朗読しながら、ハギスにナイフを突き立てます。本来はメイン・ディッシュだそうですが、各自の嗜好を考慮して、今回は小さく分けた形でのスターターでした↑。これが、問題の、ハギス。我がコレッジのお食事は割とおいしいので、大丈夫大丈夫という周りのみんなに促され、おそるおそる口に入れてみました。私は内臓系のお料理は、レバーも含め、全般的にダメなのですが、スパイスが良く効いているのでこれはそれほどつらく感じませんでした。想像よりはずっと食べられるお味。脂っぽいイギリス・ソーセージのような感じです。さすがに完食はできませんでしたが、とりあえず初体験のハギス、楽しめました♪

全員で「蛍の光」を合唱して終わったお食事の後は、デザートとコーヒー、ポートワイン、チーズなのですが、それを別室で楽しんでいる間にホールはダンス・ホールに早変わり。そう、本格的に"ceilidh"も楽しめる夜なのです!ケルトの歌と踊りの集いのことですが、演奏とともに踊り方を教えてもらいながら、途中休憩を挟みつつの2時間のダンスパーティでした。休憩中に振る舞われるのはもちろんスコッチ・ウィスキー。マッカラン(と思われる)をストレートで少しいただいた後に、再度ダンスで飛びはね、走り回り、男女二組が肩を組んで回る時には、二人の男性のあり得ない力(+遠心力)で身体を宙に浮かされてしまうのです!!自分で回ってもふらふらになるのに、人に振り回されると、地面におろされた後、自分でも大笑いするくらいふらふらになって、しかもダンスはまだまだ続いて・・・というchaoticな楽しい夜でした。しっかり食べた分は、いっぱい踊って消化したでしょうか??(笑)初めての体験でしたが、とても楽しいケルトの夜でした☆

c0105386_424146.jpgちょっぴり怖い生ハギスはこちら←(チカコさんのページからいただいてきました!)

Burns nightについて、詳しく知りたい方は
http://en.wikipedia.org/wiki/Burns%27_Night
(英語です。Address to a Haggis、全文載ってます)
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by ellisbell | 2007-01-27 04:03 | culture

ハギスって

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先ほど、フォーマル・ホールから帰ってきました。

とっても疲れたので、詳細日記は明日にしますが、今日は「ハギス」を食べました。

「ハギスってなぁんだ?」という問いに対する答え(知っている人は知っている、例のEnglish jokeです):ハギスというのは、スコットランドにしかいない動物の名前。特別な場所にのみ生息していて、心の汚い人には見えない動物です。そして、とっても美味しいのだそうです。なかなか食べてみる機会が(勇気も!)なかったのですけれど、今日は、これを食べてきました♪

ハギスも含め、今晩のフォーマルの様子は、明日の日記に♪寒いけれど、もう、小さな花が咲いています↑。(この写真のお花はハギスとは全く関係ありません☆)日も少しずつ長くなり、確実に春が近づいているのですね。それでは、皆さま、おやすみなさい♪
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by ellisbell | 2007-01-26 09:59 | culture

初雪

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今日は、ケンブリッジに、この冬初めての雪が降りました。

待ちに待った初雪。予報では、4,5日前から今日は雪だと報じていて、昨日から気温も下がっていました。明け方近くに少し寒く感じたのですが、目を覚まして外をのぞいてみると、うっすらと積もった雪。まだほの暗く、みぞれが舞う中、お部屋の外の生け垣は1mmほどの雪で白く染まっていました。大急ぎで起き出して部屋の暖房をつけ、朝ごはんのクランペットを温めている間に中庭を見てみると、芝生も真っ白です。けれどもその雪はわずか1mmほど。急いで出かけなくては、消えてしまいそうです!

プリンターが故障しているので、9時に近くのネットカフェが開くのを待って印刷をしに行き(結局ネットカフェのプリンタも壊れていて、友達に約束していた資料を持って行けませんでした。orz どういうこと??)、大急ぎでcity centreに向かいます。目指すはもちろん、キングス・コレッジ。車が通る道はすっかり雪も溶け、太陽がさしはじめていましたから、どうかしら?と思いながらコレッジに入ってみました。中庭は少し溶けかけて、芝生がまだらになっていましたが、ヴューポイントのバックヤードの方はまだうっすらと雪が残っています↑。雪のケンブリッジ、キングス・コレッジです。写真を撮りながらバックス(the Backsーキングスのバックヤードを抜けたところにある道沿いの広い芝生)まで歩いてみました。もちろんケム川にかかる橋たちも雪化粧↓。観光客か、それとも学生か、何人もの人がやっぱり雪の美しいキングスを写真に納めていました。

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その後はフェン・コーズウェイの方へ歩いて行ってみましたが、太陽が照って、気温もそれほど低くなかったので、10時頃にはもう芝生本体の緑が目立つようになってしまっていました。雪って、小さい頃は時々経験しましたが、年々減っているような気がしますね。寒いのは大嫌いな冷え性の私ですが、雪の朝の特別なひんやりとした空気、とっても澄んだ、それでいて質感のある、あの冷え切った空気が好きなのです。あ、何か特別な感じがする、と思わせてくれるのです。こちらの気温は今日はそれほど低くなかったので、そして、セントラル・ヒーティングのおかげで、朝の「その空気」はあまり感じませんでしたが、待ちに待ったケンブリッジの初雪でした。そして日中はいいお天気。きらきらと晴れ渡った空の下の雪景色って気分いいですね。子供のように雪を喜んだ一日でした。
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by ellisbell | 2007-01-25 05:49 | Cambridge life

ハイゲイト墓地

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今週は気温が下がっている英国。

ようやく冬らしいお天気になってきました。"proper wintry day"という言葉がお天気予報で聞けるくらいです。さすがに氷点下にはなっていませんが、最高気温も5度前後で、今日は外出すると空気が冷たく感じられました。自転車で走ると耳が痛いというのも久しぶりです。明日は、予報では、雪。子供のように、雪が待ち遠しいです。

先日、ロンドン郊外のハイゲイトにある墓地を訪ねました。地下鉄ノーザン・ラインで、北に上がっていったゾーン3にあります。教会付属の墓地ではなく共同墓地ですから、広い面積の中にいくつもの小道があり、様々な形や宗派のお墓があります。古びた教会の墓地をゆっくり歩くのも好きなのですが、ここは初めて訪れました。小雨の後だったので、残念ながら、舗装されていない道はぬかるんで、歩きにくかったのですが、おかげで柔らかい光の中でいくつか文人のお墓を見ることができました。そう、ここは、カール・マルクスのお墓があることで有名な墓地なのです。

この広い共同墓地は二つに分かれていて、西側は個人で訪れる人は入れないことになっています。東側の敷地に入ると、受付に座っていたのは陽気なおじさん。お目当てのお墓を訪ねてみると、親切にあれこれと教えてくれました。広々とした敷地にはケルト十字もあればオベリスク型のお墓も、中国式のお墓もあり、教会付属の墓地とは違った雰囲気です。パリにもたくさん文化人が眠るお墓がありますが、ショパンの眠るペール・ラ・シェーズを思い出しました。小道を、言われたとおり左に曲がったところで目に入ったのは、大きな石像を乗せた墓石。誰のお墓かしら、と近づくと、これがマルクスのお墓でした↑。そう、ドイツ生まれのユダヤ系哲学者である彼は、ここロンドンでその思想を固めて行くのですよね。大英図書館で彼が仕上げた集大成が「資本論」。英国をはじめとした民主主義国に影響を与えるつもりで書かれた論が、彼自身も予期していなかったロシアで実現し、様々な形で悪用されることもあるとは、興味深いことですね。

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そして、もうひとり、お目当ての人物は、マルクスのお墓から少し外れたところにひっそりと眠っていました。ジョージ・エリオットです。マルクスのお墓の反対側に、英国の哲学者ハーバート・スペンサーのお墓があったことにも驚きましたが、結婚を噂されていながらスペンサーに拒絶されたエリオットを思うと、死後、彼らがこんな近くに葬られているとは、何となく皮肉な気がします。彼女は、ウェストミンスターに葬られることを望んでいましたが、当世一の大作家、モラリストになりながらも、ヴィクトリア朝の厳しい社会の中で、妻子ある男性と駆け落ちしたという理由から、ウェストミンスターに埋葬を拒絶されるのです。同じく素晴らしい名声を得たディケンズが、私人として普通の墓地に葬られることを希望したにもかかわらず、ウェストミンスターに葬られたことを考えると、とても皮肉なことですね。花もない小さなお墓に入った大作家を思いながら、帰途につきました。
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by ellisbell | 2007-01-24 05:22 | literature

Never Let Me Go

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カズオ・イシグロのNever Let Me Goを読みました。

イシグロといえば、ブッカー賞を取って映画化もされた「日の名残」が有名な日本生まれの英国人作家(今は帰化しているはずです)。"Never Let Me Go"も、2005年のブッカー賞のファイナルまで残った作品ですが、とても重いテーマを扱いながら、引き込まれてしまう、イシグロらしい世界でした。

喪失感と切なさに満ちた物語。今までのイシグロの作風とはテーマは少し違うのですが、独特の世界を繰り広げる口調は、さすがにみごとだと思いました。この物語は一人称で、過去を思い出しながら出来事をつなげていく形で語られているのですが、その語り方がとても上手だと思います。最初の数ページははっきりと事態がつかめないまま読み進めて行くことになりますが、次第に芋づる式に、語り手がいろいろな出来事を思いだしていくにつれて、状況の特異さがあらわになっていき、読者が漠然と感じている不安が現実となっていくのです。長崎生まれの彼は、ほとんど日本語を話せないそうですが、何と言っても非常に美しい英語でしっとりとした独特の世界を織り上げていく彼の小説は、読者を物語の世界に引き込む力を持っていると改めて実感しました。page-turningとはまさにこのことです。

もちろん、読者に最初に不安を抱かせて、その謎を解いていくようなサスペンス的手法を使っているなどという、テクニカルな面でも彼の技術は卓越していますが、それ以上に彼の描いている、静かな、悲しみに満ちた世界は本当に胸を打つものがあります。数人の若者たちの関係を描きながら、人間の存在とはいったい何か、記憶とはいったい何かという大きな問題をゆっくり考えさせてくれる作品。一人称の語り手が自分と、友達や恋人との人生を語る、その抑えたトーンが、イシグロ独特の静かな切なさを持って読者に迫ってきます。プロットや状況説明のおもしろさもさることながら、その口調で独自の世界に読者を引き込んでいくその力が、イシグロの素晴らしさだと思いました。喪失感と切なさに満ちた物語ですが、不思議に絶望は後に残らないのが驚きです。絶望的な状況で物語は終わるはずなのに、絶望とニヒリズムではなく、読者に深く深く人間存在の状況を再考させる方向に、彼の物語は進んでいきます。今まで読んだ彼の作品の中で、もっとも好きな作品かもしれません。感動と呼べるかどうかは分かりませんが、余韻がしばし消えない、素晴らしい作品でした。
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by ellisbell | 2007-01-23 04:48 | literature

sweet tooth

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英国料理はまずいというのが定評です。

個人的には、英国料理はまずいというより、味がないのだと思います。グレイヴィなど、ソースもお味が薄いので、かなりたっぷりかけて、さらに何か足すというのが一般的。例えばローストビーフにはグレイヴィをたっぷりかけて、ホースラディッシュをつけていただくという具合。付け合わせも、だいたいは塩味もつけずにゆでただけのお野菜ですから、ますます味がないという印象を強めてしまいます。私が今までで経験した、食べられなかったお料理は2回だけでした(幸いなことに、今回はまだ当たっていません♪)。1回は忘れましたが、2回目はベジ・グラタン。昔エディンバラで食べた味のないホワイトソースはかなりひどいお料理でした。最近ではモダン・イングリッシュなどと言われて、たくさんのセレブシェフがいるし、テレビでもお料理番組をひっきりなしにやっています。

お料理はともかく、素朴なイギリスのお菓子は、私にはおいしく思えます。スコーンは言うまでもなく、ぶつぶつ空いた穴にバターとはちみつがしみこむクランペット、ふっくらとふくらんだヴィクトリアン・ケーキ、酸味の強いりんごで作る焼きっぱなしのアップル・クランブル、甘さがミルクティとよく合うスティッキー・トフィー・プディング、そしてフルーツたっぷりのトライフル(なんだか食べたくなってきましたねぇ)。私が一番好きなのは、英国人家庭でごちそうになったパヴァロヴァ↑。これはもともとはオーストラリアのお菓子だそうですが、メレンゲの上に生クリームを乗せて、フルーツを飾るだけのお菓子です。こちらでは、いわゆる生クリーム(クレーム・シャンティイ)を使うお菓子が少ないので、特に新鮮に感じたのかも知れません。スーパーなどでもたくさんこの土台だけが売られているので、とてもポピュラーなお菓子なのでしょうね。もともとクリームなど乳製品はとてもおいしい国なのですから!(でも、牛乳を入れて温めるとできるカスタードとか、瓶詰めのレモンカードとか、手抜きなものの多い国です!)

お菓子といえば、ジェイミー・オリバーの給食改革の話は前に出したことがありますが、確かに給食は彼の尽力で最近では改善されているそうです(国家が子供の食生活に無神経ではいけませんよね!)。それで意識が高まったためか、お弁当派も増えているとか。しかし、そのお弁当の中身がサンドイッチとポテトチップスやチョコレートバーなのだそう。それではジェイミーの努力の意味がないから、ただでさえ口の悪い彼がさんざんののしるのは分からなくもないですが・・ポテトチップスやチョコバーばかりお弁当に持ってくる子供たちは、一日に必要な野菜量の4分の1くらいしか取れていないのだとか。この国のお料理がまずいのは、ピューリタン革命以降、グルメなどというのは単なる贅沢だという意識があるからだという説もあるそうですが、やっぱり食べ物は基本なのだから、もうちょっと食事に気を遣って、伝統的なお料理やお菓子も大事にするべきだと思いますよね。お野菜の名前をほとんど知らない子供たちを見ると驚いてしまいます。
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by ellisbell | 2007-01-22 05:56 | society


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