Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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オランダ(ライデン編)

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オランダは昔から日本と縁が深い国ですよね。

オランダと聞いて、誰もが真っ先に思い浮かべるのは、おそらく風車とチューリップでしょうか。世界でもっとも伝統ある航空会社KLMによる日本からの直行便もたくさん出ているし、私もスキポール空港は何度も行ったことがあるのですが、オランダ自体に入るのは初めて。今回は、ロンドン・スタンステッド空港からの出発です。昨日も書いた通り、異常なまでの厳戒態勢をとっている英国の空港のセキュリティ・チェックが、私の中での大問題となっていました。たった2泊なのに荷物を預けるのは面倒だし時間がかかる、しかし歯磨き粉もお化粧品も持ち込めない、という例のジレンマ。私が考えついた方法は、きわめて原始的なものでした。ポケットに入れる(笑)。これです。

もちろん、たくさんのメイク用品を持って行くことはできません。幸い日本から持ってきていたトラベルグッズの中に、小分けの袋に入った使い切りのリキッドファンデーション、普段使っているメーカーでもらった新製品の、小さな袋入り基礎化粧品がありました。袋を確かめてみると表示はPET。もの知らずの私でも、ペットボトルのPETで、金属ではなさそうだと想像できます(でも、確信がなくて、ギリギリまでものすごくびくびくしていました)。コンパクトは大丈夫だし、足りないものはあきらめるか空港で買うとして、それ以外のものはオランダで会う友達が持ってきたものを使わせてもらうとして(笑)、リップクリームをジーンズの右ポケット、残りのものをバッグの奥深くとジーンズの左ポケットにそれぞれ重要度に応じて押し込んで、いざ空港に到着です。思った通りの長い列、どきどきしながらゲートを通過。やった!鳴らなかった!と思ったのもつかの間、前の男性がピーッと鳴ったせいで、私もついでに身体を触られてしまいました。左ポケットの小分け袋は薄っぺらいですが、右のリップクリームは当然見つかってしまい、ああ、これでリップを破棄かと観念。係員さんに「これは何?」と聞かれて「リップクリーム」というと、彼女は中身をちょっと出して確認し、"OK"とそのまま返してくれました。国内線やEU行きばかりの小さな空港だからでしょうか。なんだか、拍子抜け。ゲートに入る前にはちゃんと係員が立っていて、さんざんこういうものは持ち込むなと言っていたのに、あっけなくパスしてしまいました。ラッキー♪

c0105386_6224852.jpgお昼頃にケンブリッジを出て、もう3時間ほど後にはオランダ入り。すごいですね。スキポール空港からライデンまでは、電車で15分ほどです。ライデンはシーボルトが晩年を暮らした場所としてご存じの方もいらっしゃるでしょうか。オランダ最古の、もっとも権威のある大学があることで有名な、アカデミックな香りのする街です。薬学、医学の分野では世界的に知られた大学だそうで、スウィフトの「ガリバー旅行記」でも、ガリバーが卒業した大学としてその名前が出てきます(と師匠に聞きました)!日本学科も有名だそうで、日本とはいろいろと縁のある場所だそうです。11世紀には街の基礎ができていた、アムスよりも古い街。駅を降りるとすぐに大きな自転車置き場があり、山のような自転車が止められています。ケンブリッジを彷彿とさせる光景。(ここに限らずオランダは自転車大国だそうで、どの街にも必ず道路と歩道の間に、自転車専用道路があります。)歩いている人たちもほとんど学生のようで、本当にアカデミックな感じの古都という印象。川岸の古本屋さんも、パリのブキニストとはちょっと違った雰囲気で素敵です。

c0105386_6233023.jpg街を歩いていると、ライン川沿いにたくさんの風車が残っています。ライン川がオランダにも流れているとは、今回初めて知りました。今も川は重要な交通手段で、古風な風車の隣には白いはね橋。このような光景もかわいらしいですよね。このプット風車の前がレンブラントの生地です。今は公園になっていて、彼らしきお人形が絵を描いている像がありました。とても古い街並みで、石畳の細い路地を歩いているとその歴史を十分に感じることができます。残念ながら街のシンボルである聖ピーテルス教会は改装中でしたが、そこに至るまでの道々、カフェや服屋さんにまでEmily Dickinsonについての講演会のポスターが貼られていたり、ああ、大学街だなぁと感じました。ケンブリッジと同じく、街としての機能がおそらく大学にのみ収斂されていて、それが問題だというのは聞きましたが、立派な市庁舎や、カリオンの響く塔を持つ教会などは、とても落ち着く光景でした。冒頭の写真もライン川と風車。本当にきれいなところです。そして、オランダの人は英語がとっても上手。どこに行っても、最初はオランダ語で話しかけられますが、残念ながらオランダ語がまったくできないので、英語で一言話すとパチッときれいな英語に切り替えて答えてくれます。それもツーリストフレンドリーな部分ですね。明日は、アムステルダムを訪れます。
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by ellisbell | 2006-09-30 06:20 | trip

Jane Eyre

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今年はIndian summerです。

Indian summerというと、私たちは「小春日和」と習いましたが、こちらの人たちがよくこの言葉を今使うので聞いてみたら、今年のように、いったん去ってしまった夏が9月頃に戻ってくる、その気候のこともさすようです。8月に寒くて暗い日々が続いていたのがウソのように、9月に入ってからは暑い日が続き、お天気にも恵まれました。8月には夏の終わりが早すぎると嘆いていましたが、ここ数日は雨ながらも、日中の気温はまだ20度を超えていて、爽やかな気候です。もっとも、緯度の高い英国、日が短くなっていくのが目に見えるようです。今では朝も明るくなるのが遅くなってきました。サマータイムも後1ヶ月ほど。いよいよダークシーズンが近づいて来ています。

Indian summerというのは、いかにもインドを統治していた英国らしい表現だなぁと思います。例えば長距離バスを意味するcoachとか、いかにもヴィクトリアンな表現が、イギリス英語にはたくさん残っていますが、その文化を重んじる気風もまだ残っているのでしょうか。昨日から、BBCで、シャーロット・ブロンテの「ジェイン・エア」のドラマが始まりました。数えられないほどドラマ化、舞台化、映画化されてきた小説ですが、やっぱり今でも人気があるのでしょうか。ジェイン・オースティンやチャールズ・ディケンズの小説も最近相次いで映画化され話題となっていますが、英国ではこのような、いわゆる古典が、国民に浸透しているのだと感じ入ってしまいます。日本で、日曜のゴールデンタイムに、夏目漱石や永井荷風や泉鏡花の小説をドラマ化して放映しているというのはあまりないような気がしますよね(そういえば、菊池寛の「真珠夫人」のドラマバージョンが話題になったこともありましたね、その昔。お昼間でしたが)。こちらでは、見る層が分かれているというのもあるのでしょうが、シェイクスピアにしろ、モーツァルト(もうすぐ冬にはあちこちでコンサートが行われます♪)にしろ、いわゆる文化的なものが、ずっと日本より身近だというのはいつも感じることです。そんなメジャーな作家ばかりでなく、ギャスケルやアン・ブロンテなどもドラマ化されて放映されているのもうれしい限りです☆日本の時代劇のようなものなのでしょうか・・そういや、日曜夜9時と言えば、大河ドラマですねえ。

さて、Jane Eyre。BBCも何度も何度もよくやるなぁと思いますが、今回も割と忠実に物語が進んで行きました。もちろんメモ帳片手に食い入るように視聴。さすがにこれだけポピュラーな作品となると、なかなかオリジナリティを出すのが難しいのでしょうね。10年前のゼフィレッリ版の映画を思わせるシーンが割とよくあります。けれども画面の作り方(ほとんど青みがかった暗い画面)、特にライトの当て方(照明を落とし、手に持ったランプだけで場面を照らし出す)が、特徴的にゴシックの雰囲気を作り上げています。そして予想通り、ロチェスターとの恋愛に重点を当てるようで、子供時代はわずか16、7分で終了(笑)。どうしてもドラマや映画はそうなりますよね。そして、ドラマの一番最初の場面が印象的でした。砂漠を、一人の赤い布をまとった女性が歩いていくシーン。原作では、物陰に隠れてジェインが「英国鳥類史」を読んでいるところから始まりますが、砂漠の真っ赤な太陽を描いた絵を見ている場面に変更されていました。おそらく、女性と狂気を思わせる赤、そして砂漠から喚起される植民地の印象、が、今後のポイントになるのでしょう(←筋を知っているってイヤですね(苦笑))。Indian summer。現在の多民族国家英国にもまだまだ名残が残っている、ヴィクトリア時代の帝国主義がどのように描かれるか、次回が楽しみです。(1回目は、ロチェスターの部屋が火事になるシーンで終わりました。おそらく3回シリーズではないかと、専門家の私は踏んでいます(笑)。)

写真はhollyhock。日本語では「タチアオイ」だそうです。2mほどにそびえ立つ、夏のお花です。東洋的なお花だと思っていましたが、中国原産だとマイミクさんが調査してくださいました。Indian summerに中国のお花。うーん、ヴィクトリアン。
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by ellisbell | 2006-09-26 06:25 | literature

工事中

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この季節、あちこちでさまざまな工事をしています。

まずは建物。夏休みに入って、学生が減ったからか何なのか、やたらとあちこち工事しているなぁと思っていましたが(こちらの夏休みは6月末からです)、なんと言ってもはかどらない英国の工事、常にのんびりしゃべりながらやっていたのがたたって、10月の学生が戻ってくる時期に間に合わない!と今頃気付いたのか、現在急ピッチで行われている模様。普段は絶対働かないのに、土曜などにも壁塗りをしていたりするので、かなりせっぱ詰まっている様子がうかがえます(笑)。こうなる前に、もっと頑張っておけばいいのに・・こちらの人は朝が強い人が多いらしく、だいたい工事は8時頃から始まります(早すぎませんかね・・工事だけでなく、うちのメンテナンス・管理人さんも8時前から活動していて、8時をすぎると「元気?」って聞きにノックされる可能性があるので、おちおち朝寝もしていられません。郵便も8時半くらいには来ています。早い!)。そのために、4時過ぎにはもう仕事をしている人は誰もいなくて、まだまだ日も高いのに、工事がストップしてしまうのです。今日は日曜。日曜は教会に行く人も多いし、お買い物などでいつも以上にcity centreがにぎわいますが、行く途中に人だかり発見。何かなとのぞいてみると、大きなクレーンで、建物の壁を貼り付ける作業をみんなが寄ってたかって見ているのでした。暇な人が多いですね・・・でも、ぴたっとはめ込む作業は見ていておもしろかったです。(こちらの建物は、景観重視もあり、こわすことなく内装工事や外装工事をするので、時間がかかるのは仕方がないとも言えるのですけど。)

そして、道路工事。はかどりません。これまた夏の間に人が減ってるうちにやっちゃえ、ということで始まったのでしょうが、仕事の遅い英国で夏の間に終わるはずがありません。道をほじくり返しているので、渋滞がひどいものです。(英国には景観保護のため、電柱が街中にほとんどないので、いったん掘ると、それはそれで大変なようです。)こんな交通量の少ないケンブリッジですら、朝は歩く私のスピードの方が早いくらい。あきらめて、車の中でみんな朝ご飯を食べたり本を読んだり!しています。工事現場に一足お先に到着、どんなに一生懸命仕事しているかと見れば、結局4人くらいしか人がいなくて、一人が機械を操作して、一人が指示して、後の二人はしゃべっています。これでは仕事が進むはずもないですね・・そういえばパリのシャンゼリゼも激しい渋滞でした・・5センチ四方くらいの石を並べて埋め込むという道路工事のやり方!ですから仕方がないのでしょう。ヨーロッパでそんなことをやってたら、1年経っても終わりませんね。でも、ちゃんとそうやって景観重視の政策をとっているから街並みがあれほど美しいのですが。

道路工事のため、通行規制をやっていました。交通整理のお兄さんです↑。(あんまりやる気なさそう。)このSTOPサインは、裏側が緑色に塗られたGOサインになっていて、このお兄さんの気が向いたときに、くるっとひっくり返されます。すると、今まで「止まれ」だった方が「進め」になって、交通が逆になるというシステム。同じものを子供の通学路でも見かけることがあります。林望が、そのような子供の安全を守るおばさんをロリポップ・レディというと書いていました(ロリポップというのはぺろぺろキャンディ。こっちではまだたくさん売っています)。ここにいるのはロリポップお兄さん。ぺろぺろキャンディ型のサインを持ちもせず、コーンにつっこんで自分のことに気をとられています。こうやって渋滞が長くなるのですね。やっぱり、この街は自転車か徒歩が一番。

10月3日からMichaelmas termが始まります。この週末にもたくさんの学生が到着したことでしょう。工事が新学期に間に合いますように☆
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by ellisbell | 2006-09-25 06:27 | society

再びロンドン

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今日は、いいお天気だったので、ふと思い立ってロンドンに行ってきました。

ケンブリッジからロンドンは電車で、ノンストップなら50分くらい。1時間に2本くらいはKing's Cross行きの電車が出ています。キングスクロスだけでなく、ロンドンのリバプールストリート駅に着く電車も同じくらいあるのですが、各停が多い上にスタンステッド空港を通っていくので時間がかかり、ほとんど利用しません。さまざまな点で不便なのです。今日ももちろんキングスクロス行き。こちらの電車は、会社と路線にも寄りますが、改札がなくて、駅に着いたらそのまま電車に乗り込みます。中で検札がやってきて、チケットのチェックをしていくのですが、最近あまりされたことがありません(たまにされると、先日両親を連れていた時のように、頑迷に間違ったことを主張されたりもして、まことに腹立たしい!あの後調べてみたら、やっぱり検札の方が間違っていたのでした!!しかし一度支払ったお金が戻るはずもなく・・ああ、理不尽!)。この間はご機嫌な検札員がやってきて、全員に"Thank you, lovely!!"を繰り返していました。(こちらの人は、"lovely"という形容詞が大好きです。男性もよく使います。先日もマーケットでバナナと洋なしを買い、ぴったりのお金を差し出したら、お兄さんのお返事が、"lovely, ma'am!"でした。誰にでも頻発しています。)でも、今日も結局来ずじまい。

そしてキングスクロス駅(今日はアーセナルの試合があるようで、もう一つ手前の駅にも止まりました。お父さんとボクちゃんが降りていきました)。ここは映画ハリー・ポッターのロケでも使われている大きな駅です。エディンバラをはじめとする北東部行きの電車が出る基幹駅なので、やっぱり南に位置するロンドンにとっては、一番大きな駅なのではないでしょうか。ヴィクトリアやパディントンも大きいけれど、14,5本は長いプラットフォームがあります。もちろん長いから、プラットフォームも1だけでなく1aだの1bだの、ホームの向こうの方からこっそり出て行く電車もあり、油断がならない駅でもあります。さて、物価の高いロンドン、これを言うと全員に驚かれますが、地下鉄は片道初乗りが650円するのです(£3)。しかし、一日乗り放題チケットを買っても1000円ほど(£4.9)。なんだか理不尽な気もしますが、いつも必ず一日券を買います。9時半からですが、次の日の朝4時半まで使えるのだから、とってもお得☆

c0105386_6302877.jpgロンドンの地下鉄の有名な愛称はtube。確かに管みたいな形をしています。(正式には地下鉄はundergroundですが、tubeの方が一般的な呼称のようです。イギリスではsubwayは地下道。)そしていつも思いますが、世界で最初の地下鉄だけあって、古いし階段ばっかりだし、しかもものすごく深いのです。地の底に引っ張り込まれるような感じ。こちらでは電柱というものがないので、電線はすべて地下を這い回っていて、そのせいで地下鉄を深くせざるを得ないと聞きました。中でもピカデリー線は一番深い。昔、火事で大惨事となりましたが、それもそうだろうと思うような深さです。長いエスカレーターを乗り継いで降りていくのですから。(ぼーっとしばらく乗っていて、あ、写真撮ろうと思いつき、カバンからデジカメを出して起動して、エスカレーターが残りこれだけ残っているのですから、長さも推し量ってくださいね♪)

お買い物もしたので、繁華街に出たら、すごい人混みでした。さすがロンドンは大都会。ケンブリッジも大きな地方都市ですが、こんなに人があふれかえっているとさすがに疲れて、早々に逃げ出しました。その後、夏に改装中で見られなかった、ヴィクトリア&アルバート美術館のモリスルームを見に行ったのですが、相変わらず改装中。(9月から見られるはずなのに、こちらの予定はまったく当てになりません!)ここも混み合っていました。うれしいことに、英国では国の補助を受けている美術館博物館はすべて無料ですから、入ってはみたけれど、また今度にしよう、という贅沢なことができます。相変わらずの人混みの中で帰りの地下鉄をぼーっと待っていると、降りてきて通り過ぎた女の子が、足を止めて振り返りました。「?」と思っていると、私の隣にいた男の子と、"I know you!"、"I know you, too!"としゃべり始めましたが、そのやりとりがなんだかおかしくて(だって、「君のこと知ってる」「私もあなた知ってる」なんて、日本で聞かない会話ですよね!)、思わず笑ってしまいました。これだけ混み合ったロンドンでも、知ってる人に出会うんですね♪

c0105386_6292328.jpgそういえば・・先日リクエストをいただいたので、ハリポタに出てくる、キングスクロスの9と3/4番線(観光名所)を載せておきます☆
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by ellisbell | 2006-09-24 06:28 | society

St. Michael's Mount

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コーンウォールも最終日、ペンザンスからも見えている、St. Michael's Mountを残すのみです。

たまたま先ほどBBCをつけたら、Cornish Wild Summerという番組をやっていました。舞台はLand's End、St.Ives、そしてSt.Just。5月から夏にかけて、さまざまなワイルドライフがコーンウォールの夏を享受します。たくさんいるアザラシ、イルカ、サメ(basking sharkという、水面近くでひなたぼっこをする、プランクトンを食べるサメがたくさんいるらしい)、そして時にはクジラまでが、3つの海の混じり合うコーンウォールで夏を過ごすのだそうです。俯瞰カメラがとらえる美しい海には思わず息をのみました。素晴らしく美しい、透き通ったエメラルドグリーンの海。私が見たのもそうでした。しかし、とてもトリッキーなこの海は、時には激しい嵐で人々を襲います。昨日の日記で書いた、360度に視界の開けた風景は、実は、風のために大きな木が育たないためでもあるのです。私が見たマイルドな風景は単に、コーンウォールの一面でしかないことがよく分かります。

St.Michael's Mount。イギリス版のモンサンミッシェル。大天使ミカエルは邪悪なものを倒す守護天使ですから、このようなharshな土地にそれを祀る修道院が作られたのでしょうか。アイルランドにも、スケリッグマイケルという本当に絶海の孤島で近づくことも難しい修道院の遺跡があります(うう〜行ってみたい)。ナショナルトラストの管理下にある、英国のミカエル修道院は、もともとはベネディクト派の修道院として建てられ、その後ノルマンの征服によってミカエルのための修道院になります。いささか残念なことに、その後は要塞を兼ねたお城となったので、今はその修道院自体の姿は見ることができません。

体調は相変わらず悪いので、朝はゆっくりめに10時頃のバスに乗りました。ペンザンスからセント・マイケルズ・マウントの対岸まではバスで10分ほど。お天気も良かったし、着いたときには干潮で、風はありましたが島までゆっくり歩いていきました。島までは石畳の道が敷かれ、モンサンミッシェルを小さくしたその姿がはっきりと見えます↑。もちろんモンサンミッシェルのように長年かけて作られた修道院ではないし、城下町があるわけではありませんが、今は無人となっているこの花崗岩の島に、昔は人が住み、牛などを飼っていた跡ははっきりと分かります。頂上のお城に登っていくと、その向こうに青々と広がる水平線が印象的です。この城は、重要な要塞でもあったことがよく分かります。その絶海に向かって、たくさんの砲台がつきだしているのです。そしてはためいているコーンウォールの旗。c0105386_805832.jpgコーンウォールはもちろんイングランドの一部であり、連合王国の中では弱いウェールズのような地位さえありませんが、セント・ジョージの旗(白地に赤十字、イングランドの旗ですね)とは違う、黒地に白十字のCornish flagを持っているそうです。(旗の写真を撮っていると、登ったところで砲台に座って一休みしているおばあさまが、「それはCornish flagだって知ってる?」と教えてくれました。)お城の中は、マナーハウスのようなものでしたが、むき出しの石造りの部屋が一部にあったのは珍しいし、何より窓から見えるのが青い海だけというのがとても印象深いところでした。こんなところで毎日を過ごしていた家族は、何を思いながら暮らしたのでしょう。

c0105386_811514.jpgそんなことを考えながら、テラスから下を見下ろしてびっくり!なんと、道が消えています。30分で道がなくなるとは・・とても干満の差が激しいところなのでしょう。それを見越して、たくさんの小さなボートが観光客を待っています。帰りはそのボートに乗って帰りました。最後に、もう一度対岸のMarazionからぱちり↑。すっかり道は消えてしまいました。海を見ながら最後のパブ飯。そして、再度Great Westernに乗ってロンドンに帰ります。帰り道で、丘に描かれた白い馬の絵を発見。White Horseと呼ばれる白亜の斜面に掘られた先史時代の遺跡の一つでしょうか(そんなものの存在は、昨日のテレビ番組Seven Manmade Wonders南部編で初めて知りました。Berkshireにあるらしい・・)ちょっと場所が違うので、あるいはそれを真似たものでしょうか。珍しいものをたくさん見ることができました。

コーンウォール。西の果ての地。ケルトの文化が色濃く残る、独特の場所でした。英国はこんなに小さな国なのに、いろんな顔を持っています。無理をしたせいか風邪はいっこうに治らず、今は「のどにいいから」と、Ruthが作ってくれた、干しいちじくを煮出したホットジュースを飲んでいます。明日は彼女ともお別れ。彼女の好意とともに、このジュースが効きますように☆
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by ellisbell | 2006-09-23 08:06 | trip

地の果て

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イングランドの最果ての地、その名もランズ・エンドに到達しました。本土の最西端、コーンウォール半島の先っぽです。

日曜の朝、起きたら相変わらず熱はある様子ですが、ボリュームたっぷりのコーニッシュ・ブレックファスト(内容はイングリッシュと一緒でした!)をいただいて、バス乗り場に出かけます。ペンザンスが電車の終着地、そこからはバスで西に向かうしかありません。日曜なので、本数が少なく、300番のバスでとにかくミナック・シアター、ランズ・エンド、セント・アイヴスの3カ所をまわることが今日の目標。外に出ると、雨が降った様子がうかがえますが、ラッキーなことにお天気は持ちそうです。しかし、バス乗り場に行くと、乗ろうと思っていたバスがなく、急遽予定を変更して、ローカルバス17番でまずセント・アイヴスから逆回りすることにしました。セント・アイヴスまでは1時間ほど。バスに乗った途端に寝てしまい、気がついたらそこが、芸術家の愛した小さな街でした。

c0105386_85396.jpgセント・アイヴス。バーナード・リーチやヴァージニア・ウルフが愛した街として有名ですが、現在でも小さな街のあらゆる路地にたくさんのギャラリーやアトリエがあります。細々とした路地をぬって歩いていると、突然眼下には青い海が広がり、石造りのかわいらしい家々の並んだ街並みを、ゆっくり歩いていると時間を忘れそうになります。彫刻家バーバラ・ヘップワースの美術館、そして、ロンドンのテート美術館の分館もここにあり、時間があればその辺りもゆっくり鑑賞したいところでしたが、残念ながら先を急ぐ旅。ハイ・ストリートで手作りCornish Pasty(コーンウォール名物の肉詰めパイ)を買い、ついでにたくさんあったCornish Fudgeのお店でファッジ(柔らかいキャラメルのようなお菓子)もついつい買って、ランズ・エンドへの300番のバスに乗り込みます。ファッジというのはお砂糖とバター、牛乳などで作っているようですが、やっぱり乳製品が有名なコーンウォールならではということなのでしょうか。街中にたくさんのファッジ屋さんがあり、創業以来30年というお店で詰め合わせを買った時にも、次のお客さんがプレゼントにしたいから、とあれこれ注文していました。日本人にとっては甘すぎるお菓子だというのは知っているのですが、ついつい本場!と思うと買っちゃうのです・・やっぱり甘かった・・(でも、想像よりはイケてました。)

ランズ・エンドに向かう途中、雲行きが怪しく雨がぱらついていたことには気付きましたが、やっぱり私は眠りこけてしまいました。時折目を覚まして見る風景は、360度の平原でその奥に青い海が見え、アイルランドの西の果て、イニシュ・モアをマイルドにした感じ。生け垣に囲まれた、バスが通るのがやっとという細い道を通りながら、見渡す限りの岩がちな牧草地、牛たち、石造りの家、そしてその奥に広がる青い海を見ていました。アイルランドの苛酷さはありませんが、やっぱり果ての地というのは似た雰囲気があるのでしょうか。幸い雨も止み、到着した「地の果て」は、聞いてはいたものの、先端にホテルが建ち、アトラクションが作られ、観光地化されていたことには少し落胆しました。そして、何よりもペンザンスと同じく、気候が温暖であることも、期待とは反していました。もっとharshな自然を想像していたせいですね。(だってすぐ近くで山羊まで飼われているんだもの!)けれども、3つの海が混じり合うその景色はとても雄大で美しく、海の青さと広さは感激ものでした↑。ランズ・エンド・ホテルの先には標識が立っていて、ここがランズ・エンドと書いてあります。日付も入っていて、そこでOfficial photographerなる人が写真を撮る仕組み。うーん、やっぱりちょっと商業化されすぎ??その標識には、ほかに、NYまで3147マイル、John O'Groatsまで874マイル、と書かれています。John O'Groatsはスコットランドの最北端。うーん、季節的にもう行けないだろうと分かってはいますが、興味をそそられますね☆

c0105386_854139.jpg続いて、いろんな人に勧められていたMinack Theatreへ。崖っぷちに、Rowena Cadeという女性が、たった一人で作り上げた劇場です(切れていますが写真の下の方が舞台です)。南国ですから、珍しい植物もたくさん植えられ、運が良ければ友達はマチネを見ながら、向こうの海にアザラシが見えたそうです。ここは、圧巻でした。美しい青い海と、その上にそそり立つ絶壁の劇場(決して絶壁好きだからここが良かった訳ではありません!)。眺めが素晴らしかったです。シェイクスピアをよくかけている劇場のようですが、数日前まではマクベスをやっていた模様。日がずれて残念でした。その日はアイーダが演目でしたが、夜なので、公共交通機関では行けず断念。でも、ドレス・リハーサルを見ることができました。野外劇場ならではの開放感と工夫のある、そして素晴らしい眺めを持った、素敵な劇場でした。

夜には、絶対おいしいお魚を食べなくては!と、B&Bの近くで勧められたパブで、Cornish soleを食べました。風邪を引いて熱はありましたが食べ物はすべて食べられて良かった♪おいしいヒラメでした。明日は最終日、ペンザンスから見えている、St Michel's Mountに行って、ロンドンに戻ります。もう1日だけ体力が持ちますように。
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by ellisbell | 2006-09-22 08:03 | trip

ペンザンス(と、お隣さん)

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新しい隣人ができました。

Omairのいた部屋にはSarahという女の子が、Charlesのいた部屋にはNickという男性がやってきました。Sarahは昨日ボーイフレンドと数人でラウンジにいるところで挨拶しただけですが、Nickは大柄でよくしゃべるインド人で、さっきまでラウンジでRuthとLen Siewと一緒にしゃべっていました。Ruthも次の土曜には出て行くと言うので、寂しい限り。こちらに来て一番いろんなことを親切に教えてくれた女の子です。Midlandsの自宅に帰るだけだし、また諮問の時には来るから、と言っていましたが、みんなでお別れ会をする時間が合わず、たまたま夕方に彼女を見かけてしゃべっていたところにLen Siewが来て、パーティができないならと、Ruthがキャロットケーキを出してきて、「日本ではデザートは別腹って言うんだよ」と私が言いながら、女3人でそれぞれの国の話から天皇制や王室、彼の話まで、いろんな楽しい話をしていたところにNick登場でした。これはどうするの、あれはどうするの、と聞く彼に、やっぱり一番親切に教えてあげていたのはRuth。新しい友達と、去っていく友達が入り乱れてつながり合って。Ruthが寂しがらないでね、ここは駅みたいな特別な場所だから、また新しい出会いがあるんだから、と再度言ってくれました。ケンブリッジ「駅」からはもうすぐまた一人旅だって行きます。

お別れのシーズンに旅行をしていて、例えばCharlesのお別れ会に出られなかったのは残念ですが、初めて行ったコーンウォールは想像とはまたひと味違う、おもしろい場所でした。ペンザンス。ひりひりするのどに不安を覚えながら寝た夜は、想像通り熱が上がり、寒気と身体の痛みを一緒に連れての5時間の列車の旅。ペンザンスは、パディントンから出るGreat Westernの最終駅なのです。つまりイングランドの最西端。今回はそこから、Land's Endと呼ばれる場所を目指す旅です。体調が悪くて、電車に乗った途端に寝てしまいましたが、前の席に座ったおばさまはどうやらお話相手が欲しかったらしく、半分をすぎた辺りで目を覚ますと、早速いろいろなことを教えてくれました。Devonの最西端がPlymouth。海軍基地のある大きな街です。プリマスから橋を渡ると、コーンウォールに入ったというマークがあるというのもそのおばさまが教えてくれました。いよいよあこがれのコーンウォール。Cornish (Devon) Creamというのはクロッテッドクリームの別名だし、Cornish Pastyという牛肉のパイも有名、そして何より海辺だからお魚がおいしいはずです。エクセターをすぎると左手には一面の海。南の海岸線だから、青くてとてもきれいです。そして、東南部の白い壁とは対照的な、赤い石灰岩の大地が見えます。最果ての地、コーンウォールはもうすぐです。

コーンウォール半島の最西端、ペンザンスに到着したのは3時。ロレンスが描くコーンウォールに影響されていた私は、荒涼たる寂れた土地を想像していたのですが、実際のペンザンスは期待に反する陽光あふれるリゾートでした。青い空と青い海、そして穏やかな気候。出発したロンドンがどんより曇っていたのとは大違いです。しかし、ペンザンスという言葉がCornishで「聖なる土地」を意味するように、イギリス版モンサンミッシェル、St. Michel's Mountが見え、道を歩く人たちの顔もやはりケルトが強い感じがします。ここはブロンテ姉妹の母親の生まれた場所。イングランドの一部ではありますが、コーニッシュと呼ばれる言葉が残り、ケルトの文化が色濃いところです。泊まったB&Bの名前も、コーンウォール語で「海辺の家」という名前。(Chy-An-Mor・・・読めません。)c0105386_891055.jpg教会にはハイクロスのお墓が立ち並び、こんなハイクロスもありました。(ハイクロスにキリストが架かっているのは初めてみました。)ペンザンス自体は小さな街で、到着したのが土曜日だと言うこともあり、街にはあまり人もいないし、お店もたくさん閉まっていました。けれどもハーバーがあり、海鳥の声がして、いかにも海辺の街といった感じです。そして道を歩いている男の人がみんな海賊に見える!髪を長く伸ばしてひげも生やし、日焼けした小柄で敏捷そうなケルト系の男の人たち。勝手に「あの人海賊」と思いながら(それが結構たくさんいるのです!)街を歩き、コーニッシュクリームを試すため、ティールームに入りました。頼んだのはもちろんクリームティー(クリームティーというのは、お茶とスコーンのセットのことです)。c0105386_884814.jpgスコーンがなぜか油っぽかった(何となくCornish Pastyの外のパイ皮みたいな味のスコーンでした)のが残念ですが、クリームはやっぱり絶品でした。とってもフレッシュ。クロッテッドだからもちろん濃いのですが、香りも舌触りもとてもなめらかでフレッシュで、舌の上で溶けるようなクリームでした。のどと身体の痛みをおして食べに来て良かった☆

次の日はイングランド最西端を目指すので、熱が上がっては困ります。しかも、セント・アイヴスとミナックシアターにも行く予定です。相変わらずの盛りだくさん旅行。さっさとB&Bに戻って就寝、明日のランズ・エンドが楽しみ(不安?)です。
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by ellisbell | 2006-09-21 08:07 | trip

Paris

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今日のお昼にようやくケンブリッジに戻って来ました。両親を送り出してから風邪をひき、強行軍でさらにイングランド西部旅行を終えての帰りです。でも、日記は、順番で行くとまずは両親とのパリ旅行から。

またまたのパリ。今度は、ユーロスターに乗ってみたいと言い出した両親に付き合っての観光です。パリというのは、何度行っても美しい街だと驚嘆させられます。今回はオペラ座のすぐ近くにあるホテルをとったので、メトロから上がったところで両親が感嘆の声をあげました。絢爛豪華なオペラ・ガルニエを中心とする華やかな区域です。さらには、街を歩く人の格好もシンプルだけどおしゃれだと母が大喜び。ホテルも3人部屋ということで、屋根裏のようなロフト付きのお部屋だったのですが、内装もおしゃれでパリのお部屋という感じだったので、大満足でした。お昼ごはんを食べて、ギャラリーラファイエットの上のカフェテリアからパリの街を眺め、さて何をしようかと計画します。イギリスでダブルデッカー(二階建てバス)、チューブ(地下鉄)、BR(鉄道)、オースティン(タクシー)、そしてユーロスターと、いろいろな乗り物に乗った両親が次に乗りたがったのが、遊覧船。そういえば、テムズ川では船に乗る代わりに、観覧車に乗ったのでした。イルミネーションが見たいというので、夕方のバトー・ムーシュに乗ることにして、その近くで晩ご飯を食べながら、暮れなずむエッフェル塔を見つつパリを実感しました↑。昔乗ったときは、バトー・ムーシュには日本語もあったのに、今回は韓国語に変わっていたのがびっくり。そういえば韓国の団体さんがたくさん乗っていました。

次の日には、朝から半日市内観光のバスに乗って、私も久しぶりにモンマルトルのサクレ・クール寺院やエッフェル塔をじっくり見ました。やっぱりパリは壮麗な建物が多くてきれいな街です。お昼には、前に連れて行ってもらってあまりのおいしさに感激したタルトタタンを再度食べに行き(またもや感激)、ノートルダム大聖堂を見て、ショッピング。夜には、有名なキャバレー、リドに行きました。シャンゼリゼにあるエレガントなキャバレーです。お食事は想像通りおいしくなかったけど、ショーは絢爛豪華で華やかで、おもしろかったです。床からピラミッドが出てきたり、天井から下がった1本のヒモで身体を支えるアクロバットがあったり、インド象のセットがあるかと思えば本物の馬が出てきたり、果てはスケートリンクが出てきて、アイススケートまで本当に目の前のステージでやっているのを見ると、本当に手を変え品を変えお客を楽しませるショウビジネスってこういうのなんだなぁと感じ入りました。

3日目は、そろそろ疲れてきた両親を引っ張って、朝からルーブルへ。一番に入ったおかげで混んでいないモナ・リザを見られました。有名な作品や建物そのものを存分に満喫して、フォションのサンドイッチとマカロンを買い込み、ホテルで遅めのランチ休憩。その後、「オペラ座の怪人」で落ちてくるシャンデリアが見たい、という父の希望で、オペラ・ガルニエへ。でもせっかく入ったのにシャガールの天井画はリハ中で見られず・・見られないの?と聞きに行ったら、スタンプを押してくれて、明日は見られるからまた明日おいで、とのことで、その日はあきらめました。ディナーはフレンチを満喫、就寝です。

c0105386_812044.jpg最終日、朝から両親をオルセー美術館に押し込んで、私は近くのロダン美術館に久しぶりに行ってきました。何度見てもロダンの美しさには本当に感激します。人間の肉体そのものの、圧倒的な美しさ。人間の存在ってこんなに美しかったのか、といつも思わされます。彼のアトリエだった場所が美術館になっていて、エッフェル塔やナポレオンの眠るアンヴァリッドを背景にした庭園にも作品が溶け合い、素晴らしい空間を作り出していました。前に弟と初めてパリに来たときに行った三つ星レストランが斜め前にあるので、それを眺めながら両親を迎えに行き、ベトナム料理を楽しんで、大急ぎでオペラ座に向かいます。チケットを見せて昨日こういわれたと言ったら、そこにいた人が「天井画は今日も見られないよ」と言います。昨日こういわれたんだ、とにかく入って見る、と再度の抗議で「まあとにかく入ってみな」とのこと。入ってみたら、なんとやっぱりちゃんと見られるではないですか。c0105386_8124493.jpg(相変わらずいい加減だな、パリ!)シャガールらしい幻想的な天井画に壮麗なシャンデリアが見事にマッチしていました。

これでパリは終わり。半月ヨーロッパに滞在していた、両親の旅行も終わり。次の日にヒースローに送っていったら、セキュリティはずいぶん緩和されていましたが、やっぱり手荷物検査には長蛇の列ができていました。9月には両親が来てくれるから、と楽しみにしていたのもあっという間に終わってしまったなぁと思います。両親も疲れたようですが、無事に帰国し、滞在を楽しんでくれたようだったので、何事もなかったことに本当に一安心。盛りだくさんで忙しい旅行だったと思いますが、せっかくの滞在ですから、事故も病気もなく楽しめたことが何よりです。で、見送った私は次の日からコーンウォールに行くため、友達と待ち合わせ。その時からのどがおかしいとは思っていました。友達にお薬をもらおうと思ったのが甘かった。彼女には風邪薬の手持ちがなく、不安を抱えたままの西部旅行です。その日記はまた後日。
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by ellisbell | 2006-09-20 08:10 | trip

ロンドン観光

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来英中の両親に付き合って、ロンドン観光をしていました。

ロンドンの観光などするのは何年ぶりでしょうか。大学生になったばかりの時、初めて自分で計画した海外旅行先が、ロンドンでした。大英博物館にもナショナルギャラリーにも、バッキンガム宮殿にもロンドン塔にも、ホースガーズにもウエストミンスターにも、欲張ってすべて行った記憶があります。それからホテルでのアフタヌーンティーと、どきどきしながらの初めてのパブ。あちこちでいろんな人に話しかけてもらって、英文学を専攻したばかりの私は、いつか絶対にこの国に住みたいと強く感じたものです。今は実際に住んでいますが、イヤなところもたくさんあるけれどもやっぱり大好きなこの国を、是非両親にも楽しんでもらいたいと思っていました。その両親は今までツアーでまわっていた田舎めぐりは気に入った模様。さて、ロンドンです。歩き回るのがしんどいかしらと思いながらも、地下鉄やバスを使っての観光です。

両親と落ち合う前に、バッキンガム宮殿の内部公開を初めて見てきました。世の中にたくさん宮殿はありますが、実際に今現在使われている、住居としての宮殿を公開するのはかなり珍しいことです。ネットで予約したのに電車がいつものごとく遅れ、だいぶ遅刻してしまいましたが、案外すぐに入れて一安心。音声ガイドを聞きながら、壮麗なstate apartmentを見学します。実際に即位や結婚式の時に使われた椅子、晩餐会で使われる机、園遊会でたどるルートなど、まさにこの時代に使われている宮殿なのだと感じ入りました。そして豪華な内装と美しい装飾品。王家の存続自体を疑問視する声もありますが、その問題を別にして、素晴らしい建物でした。折しも日本では、秋篠宮家に男子誕生。ロイヤルファミリーについてさまざまな意見があるのは東西どこも同じですが、バッキンガム宮殿の内部を見せてくれるあたり(当然財政難だからですが)、英国王室はかなり国民に開かれた王室を心がけているのがよく分かります。

両親と落ち合って、ダブルデッカーに乗ったりハロッズに行ったり、いつもの観光コース。c0105386_8161363.jpgダイアナさんの住居だったケンジントン宮殿でお茶をしましたが、ちょうど8月30日は彼女の10年目のご命日。宮殿の門にたくさんお花や写真がかけられていて、彼女の変わらない人気のほどがうかがえました。そして夜にはインド料理を楽しみました。両親はつくづく味のない英国料理にうんざりしたらしく、味のはっきりしたものが食べたいとのご所望(笑)。日本のカレーとは違うものの、それなりに食べられたようです。次の日は、おきまりの、バッキンガム宮殿での衛兵交代からスタート。かわいらしい衛兵の制服ですが、その前ではblack bearの毛皮(帽子)を使うのをやめさせようという署名活動もしていました。現代ですから言論の自由が保証されているのですね。3方向からの衛兵行進を見て、両親をバッキンガム内部見学に押し込み、クラリッジズ・ホテルでアフタヌーン・ティーを楽しんで、夜は「オペラ座の怪人」を見てきました。「オペラ座〜」も初めて行った時にどうしても見たかったミュージカルです。今年は20周年記念公演なのだそうです。映画になったため、ますます人気が出ていたようですが、体中に響く歌声とオーケストラ、シャンデリアをはじめとするさまざまな大がかりな、凝った舞台装置、ロイド・ウェバー全盛期の素晴らしい音楽はキャストが変わっても健在で、全身で楽しめるミュージカルでした。やっぱり歌舞伎もオペラもミュージカルも、派手で没入できるところが一番楽しめますね。両親も、映画を見て予習した甲斐があり(笑)、筋も分かって楽しかったようでした。今日は私自身も初めてのロンドン・アイにも乗ってきたし、英国という国の文化、そして国力の、層の厚さを感じられる観光でした。

両親にどこが良かったか聞いてみたところ、英国でこの街というのは特に言えないそうですが、全般的にのんびりとした田舎の空気が気に入ったと言っていました。そして、大都会にもたくさんの緑があること。私自身がこの国で一番落ち着くのがそのまさに空気としか呼べないもの。全身を包み込む穏やかさのようなものが好きなのです。(もちろん、繰り返しますが、イヤなところもいっぱいあります。英国人は獰猛で非能率的で差別的であるのも事実です。)それでも私が初めてこの国に来て、好きだと思ったその感覚が、分かってもらえる旅だったようでした。今日明日はケンブリッジ、それからパリに向かいます。

c0105386_8164614.jpgそうそう、ハイドパーク・コーナーからバッキンガムに向かう時におもしろい信号を見つけました。うま・・・
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by ellisbell | 2006-09-10 08:14 | trip

Stratford-upon-Avon

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英国にStratfordという地名は数あれど、英国人は親しみを込めて、この地を「エイヴォン川に面したストラトフォード」と呼びます。

そう、Shakespeareの故郷。Oxfordより少し北にある、コッツウォルズの北限とも言える場所(詳しくはコッツウォルズの日記をご覧くださいませ)。この地は、その少し北にあるチェスターなどと同じく、テューダー朝の木組みのおうちが残っていることでも有名なのですが、なんと言っても、シェイクスピア抜きでは語れません。来英中の両親に会いに、10年ぶりに、ケンブリッジから一泊で行ってきました。

前にはまだ民営化される前のBritish Railで、オックスフォードを通って行ったのですが、現在の鉄道ルートでは、この駅はロンドン・メリルボーンからバーミンガムまでのルートの途中にあります。車だったらおそらく2時間半位でつくのでしょうが、この辺りが非効率的なイギリス。ケンブリッジからはわざわざバーミンガムかロンドンを通って行かなくてはなりません。どちらのルートをとっても4時間半ほどの旅。せっかくだから、行ったことのないバーミンガム経由で行くことにしました。英国料理に苦戦しているらしい両親におにぎりを持って(笑)、ケンブリッジを出たのは9時半。バーミンガムまでは直通で2時間40分。駅を移動して(こちらの駅はこれがややこしいですね・・・ロンドンと同じく、方角によって駅が違うので、街の中を移動します。野性的土地勘のおかげであまり迷子にならない私が見事に迷いました。入り組んだショッピングセンターばかりの駅前。バーミンガムについてはまた後日)、小さな電車に乗り換えゴトゴトとさらに1時間。のんびりと、英国固有のガングロ羊を見ていると、少し大きな都市が見えてきて、それがStratford-upon-Avonの街です。

いわゆるMidlandsと呼ばれる美しい田園地域(ここは県でいうと、Warwickshireなのです・・知らなかった。Oxfordshireだと思っていましたが、Birminghamの手前ではNuneatonも発見!!分かる方だけ分かってください。George Eliotの出身地です。今度行くぞー!!)。そこを流れるエイヴォン川のほとりの小さな街ですが、今年はロイヤル・シェイクスピア・カンパニーが全作品上演を試みているせいか、ずいぶんと人でにぎわっていました。残念ながら私の予定に合う劇はなく、もう一度、今度は観劇のために来ようと思いながら、駅近くのB&Bにチェックイン。そのまま、シェイクスピアの生家に向かいます。木組みのおうちでも、本当に古い、16世紀から続いている家は、かなり曲がったりゆがんだりしているのですが、景観重視のために、最近できた建物も木組みのおうち風にしてあります。そういう家はまっすぐでゆがんでいないのですぐに分かります(笑)。ゆがんだ家こそ由緒正しいとは、地震のない国はいいですね。もちろんシェイクスピアの家も木組み↑。16世紀そのままの建物です。彼の父親は裕福な革手袋の職人で、市長にまでなった人物ですから、典型的な名士の家と言えるでしょう。入ろうかと思ったところで日本人の団体客に先を越され、狭いおうちなので団体さんがいると思うだけで気持ちがしぼみ、まぁ10年前に入ったからいいか、と入る気をなくしてしまいました。そのままシェイクスピアのお墓に向かって歩きます。c0105386_8185062.jpg10年前にも行きましたが、お墓フェチとしてはまた行かずにはいられません。town centreからは外れたところにあるHoly Trinity Church。埋葬記録と出生記録も保管されていますが、命日は良く分かっていないようです・・誕生日と同じ4月23日と言われてはいますが、正確には分かりません。でも有名な「この骨を荒らすヤツは呪われろ!」という墓石銘は健在でした。この教会もボランティアが世話しているのでしょうが、中の受付のおばあさまもとても優しく"darling"と呼びかけて、にっこりと話しかけてくれるし、やっぱり田舎の良さをしみじみ感じました。

c0105386_8183162.jpg前回来たのは2月。寒かったし、霧が立ちこめて、それなりに風雅な教会でしたが、今回は尖塔を修理していたのが残念。けれども良いお天気で、エイヴォン川がゆるやかに流れ、白鳥が泳いでいるさまは10年前と同じでした。きっと、この風景は、シェイクスピアの時代から変わっていないのでしょう。(田舎に慣れた私は、思っていたより都会だったことに驚きましたが。10年前にもショッピングモールとかスタバとかあったかなぁ・・変わるところは、たぶん、変わっているのですね。)両親とも無事再会、どうやら食べ物にはめげているようですが、イギリスの穏やかな田舎は気に入ったようで、ゆっくりご飯を食べながら、今までの旅行話を聞きました。明日からしばらく両親に付き合って、ロンドンに滞在、それからケンブリッジを案内します。
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by ellisbell | 2006-09-07 08:17 | trip


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