Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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Remembrance Day

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英国では、今日はRemembrance Sunday。

昨日のRemembrance dayを受けて、今年は式典が今日執り行われました。二つの世界大戦を始めとする戦争や紛争で、祖国のために命を捧げた人々を記念する日、Remebrance dayは第一次世界大戦が終わった11月11日と定められ、一番近い日曜日に記念式典が行われます。先月から、プラスチックで作った赤いポピーの花をテレビのアナウンサーや、街行く人々が身につけていたし、街頭でもそれが売られていました。プラスチックの赤いポピーは、英国在郷軍人会(よく、アガサ・クリスティなどにも出てきますよね)が販売するもので、戦没者への敬意の印として人々が身につけます。最近ではそのポピーに対する関心がとみに高まって、街頭で売るボランティアが不足しているとの記事を読んだりもしましたが、「英霊」に対する意識が高まっているということなのでしょうか。欧州ではEUの強化に従って、ナショナリズムが高揚しているとも言われていますが、それを示す事例なのかしらと思ったりもします。

私個人は、今日が戦没者記念式典だと言うことをすっかり忘れていました。朝ごはんを食べた後、CDをつけようとしてコンポのスイッチを入れたら、設定したままだったFMからバグパイプのマーチが聞こえてきました。あら、タイムリー☆と思って聞いていたら、式典だと言うことが分かったので、慌ててBBCをオン。バッキンガム宮殿の近く、Whitehallでの式典をみることができました。11時を告げるビッグベンの鐘の音とともに2分間の黙祷。さまざまなregimentsがそれぞれ正装をして、その式典に参加しています。もちろん退役軍人がほとんど。現役も来ていますが、おじいさん達がたくさんの勲章を着けて、中には車いすに乗って、誇らしげに参加しているのをみていると、少し複雑な気持ちになりました。バッキンガムの有名なふわふわ帽子をかぶった楽隊の演奏もあれば、バグパイプを抱えたスコットランドの音楽隊も来ているし、本当に盛大な式典です。ブレア首相と並んで、式典に参加するために昨日やってきたニュージーランドのヘレン・クラーク首相の顔も見えます。そしてさらに、Commonwealthからのたくさんのゲストがその後ろに並びます。国教会のミサも同時に行われますが、カトリックを始めとするさまざまな宗教指導者も同じく参列しています。そして、ロイヤルファミリー。女王を筆頭に、エディンバラ公、チャールズ皇太子、ヨーク公やケント公が並びます。そして黙祷の後、それぞれが手に持ったポピーの花輪を戦没者記念塔に捧げるのです。

日本で言うと、極言すれば、靖国参拝のような行事と言えるのでしょう。ほとんどの参列者は軍服ではなく正装なので、見ている私はこれが「軍隊」であることをほとんど忘れそうになります。アメリカにも同様の式典はありますが、テレビを見ながら複雑な気持ちにとらわれました。英国はどこの街に行ってもたいてい、戦没者記念塔のようなものがあるし、人々は祖国のために闘った英雄をたたえる気持ちを持っています。でも、裏を返せばこれは戦勝国の式典であり、英国がどれだけたくさん戦争をしてきたかの歴史でもあるのですから。patrioticであることとnationalistであることはもちろん違うし、ひとりひとりの戦士が絶対的な悪であるとは言えませんが、これが「軍隊」であって、今でもCommonwealthの人々がたくさん英霊に対する敬意を表するために英国にやってくると考えると、今も大英帝国が存続するような錯覚にとらわれます。アメリカの友達の愛国心に違和感を覚えることは多々ありますが、それと少し近い感覚。画面から目が離せませんでした。アップになっていたのは、大戦中は陸軍少尉として戦時協力をした女王。英霊に敬意を表して頭を下げた現代の英国女王はどのような気持ちだったのでしょうか。
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by ellisbell | 2006-11-13 05:25 | history


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