Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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2006年 08月 29日 ( 1 )

国籍と多文化主義

c0105386_2034331.jpg英国は二重国籍を認めています。

自国民の国籍には、系統主義と生地主義をとる国があり、日本は両親のどちらかが日本人だったら日本国籍を与える系統主義、アメリカはアメリカで生まれたらアメリカ国籍をもらえる生地主義をとっています。実際には無国籍にならないようにどちらの国も配慮はするようですが、二重国籍に対する日本の対応は厳しいものです。アメリカで生まれた友達は、20歳になったときにどちらかの国籍を取る決断をしなくてはならなかったと言っていましたが、日本国籍を持つためには、アメリカ国籍を捨てなくてはならないのです。彼女の場合は両親とも日本人だし、アメリカで育った期間が短いので、日本国籍を取ることに迷いはなかったのですが、先日、二重国籍を持つ英国人の友達に、もし両親が別国籍だったり、自分のアイデンティティが一つに決められない場合は、どうすればいいのかと聞かれました。英国の場合は、制限はあるものの、英国人あるいは英国に永住権を持つ両親から生まれた子供は、"You cannot not be English"(彼女談)だそうです。(もちろん英国籍を捨てることは可能ですから、心情的にimpossibleということでしょうけれど。)

地理を勉強しなかった私は、こちらでよく「日本の人口は何人?」とか「東京の人口は?京都の人口は?」と聞かれるたびにオタオタするのですが、日本より早く高齢化社会を迎えることを予想していた老大国、英国は、早くから積極的に移民を受け入れてきたようです。その結果、例えばパキスタン出身の両親を持つOmarも、香港出身の両親を持つRuthも、英国人なのです。(聞いてはいませんが、Ruthは二重国籍を持っているのかも知れません。「あなたの国では」と聞いたときに"In Hong Kong?"と聞き返されたことがあります。)たくさんの移民を受け入れたということは、畢竟、多文化、多民族主義に切り替わったということですが、先日のテロを受けて、最近multiculturalismに対する批判が多いように思います。つい2,3日前もBBCのラジオ放送で多文化主義についての討論会をやっていましたが、圧倒的多数であるwhite Anglo-Saxonsが、徐々に勢力を伸ばしつつある少数派に脅威を感じている様子がかいま見えます。もちろん全部が全部そうではないのは当然だし、概して英国社会は移民に寛容な気はします。しかし、特に先日のテロ計画の首謀者の一人が、イスラムに改宗した生粋の白人英国人であったことを憂う声も多いようです。いったん開いた扉を、特にこのどんどん世界が狭くなりつつある時代に、閉じてしまうのはとても難しいことだろうし、賢明であるかどうかも分かりませんが、移民を受け入れてきた英国社会も、受け入れなかった日本社会と同じく、揺れていることは確かなようです。

でもここケンブリッジは例外的。世界中から学生が集まってきて、世界中に散っていきます。「みんな動いていく時期なんだね」と、昨日出会ったRuthに言うと、「寂しいの?寂しいのは私も一緒だけど、ここは駅みたいな場所だから」と言われました。人が目的地としてやってきては、また新たな目的地に向かっていく場所。「それに、ケンブリッジはとてもフレンドリーな場所だから、また新しい友達ができるよ」と言うRuth。確かにその通りです。フレンドリーで、誰でも受け入れてくれる、穏やかな「駅」ケンブリッジ。名言ですね。
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by ellisbell | 2006-08-29 20:33 | society


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