Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
link

ハイゲイト墓地

c0105386_5173693.jpg

今週は気温が下がっている英国。

ようやく冬らしいお天気になってきました。"proper wintry day"という言葉がお天気予報で聞けるくらいです。さすがに氷点下にはなっていませんが、最高気温も5度前後で、今日は外出すると空気が冷たく感じられました。自転車で走ると耳が痛いというのも久しぶりです。明日は、予報では、雪。子供のように、雪が待ち遠しいです。

先日、ロンドン郊外のハイゲイトにある墓地を訪ねました。地下鉄ノーザン・ラインで、北に上がっていったゾーン3にあります。教会付属の墓地ではなく共同墓地ですから、広い面積の中にいくつもの小道があり、様々な形や宗派のお墓があります。古びた教会の墓地をゆっくり歩くのも好きなのですが、ここは初めて訪れました。小雨の後だったので、残念ながら、舗装されていない道はぬかるんで、歩きにくかったのですが、おかげで柔らかい光の中でいくつか文人のお墓を見ることができました。そう、ここは、カール・マルクスのお墓があることで有名な墓地なのです。

この広い共同墓地は二つに分かれていて、西側は個人で訪れる人は入れないことになっています。東側の敷地に入ると、受付に座っていたのは陽気なおじさん。お目当てのお墓を訪ねてみると、親切にあれこれと教えてくれました。広々とした敷地にはケルト十字もあればオベリスク型のお墓も、中国式のお墓もあり、教会付属の墓地とは違った雰囲気です。パリにもたくさん文化人が眠るお墓がありますが、ショパンの眠るペール・ラ・シェーズを思い出しました。小道を、言われたとおり左に曲がったところで目に入ったのは、大きな石像を乗せた墓石。誰のお墓かしら、と近づくと、これがマルクスのお墓でした↑。そう、ドイツ生まれのユダヤ系哲学者である彼は、ここロンドンでその思想を固めて行くのですよね。大英図書館で彼が仕上げた集大成が「資本論」。英国をはじめとした民主主義国に影響を与えるつもりで書かれた論が、彼自身も予期していなかったロシアで実現し、様々な形で悪用されることもあるとは、興味深いことですね。

c0105386_5221617.jpg
そして、もうひとり、お目当ての人物は、マルクスのお墓から少し外れたところにひっそりと眠っていました。ジョージ・エリオットです。マルクスのお墓の反対側に、英国の哲学者ハーバート・スペンサーのお墓があったことにも驚きましたが、結婚を噂されていながらスペンサーに拒絶されたエリオットを思うと、死後、彼らがこんな近くに葬られているとは、何となく皮肉な気がします。彼女は、ウェストミンスターに葬られることを望んでいましたが、当世一の大作家、モラリストになりながらも、ヴィクトリア朝の厳しい社会の中で、妻子ある男性と駆け落ちしたという理由から、ウェストミンスターに埋葬を拒絶されるのです。同じく素晴らしい名声を得たディケンズが、私人として普通の墓地に葬られることを希望したにもかかわらず、ウェストミンスターに葬られたことを考えると、とても皮肉なことですね。花もない小さなお墓に入った大作家を思いながら、帰途につきました。
[PR]
by ellisbell | 2007-01-24 05:22 | literature
<< 初雪 Never Let Me Go >>


ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧