Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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Because I could not stop for Death

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今日、12月10日はアメリカの詩人Emily Dickinsonの誕生日です。

いろいろな偶然が重なって、ふと思い出しました。偶然というのは、まずは妖精。最近、友達との間に妖精のお話が出ていて、それで思い出したのがテレビドラマ--先月、ハワースに行ったときに初めて見たBBCのドラマ、Torchwoodです。こちらでもほとんどテレビは見ないのですが、夕方すぐに真っ暗になってしまってすることもないハワースの夜、お昼間に本に囲まれていましたから読書をする気にもなれず、ぼーっとテレビを見ていました。Torchwoodというのは、BBC Walesが製作しているscience/crime dramaです。架空の犯罪捜査組織Torchwoodが、さまざまな科学的(そして非科学的)手段を用いて、人間や人間でないもの(!)による犯罪を追いかけます。こちらのテレビでは夜9時を過ぎると、子供に見せるのは気をつけてね、という番組を放映しますから、結構殺戮シーンなどがあって怖いのですけれど・・・学校や継父によっていじめられている可愛らしい女の子に「新しいお友達」ができるのですが、このお友達は彼女を困らせる相手を次々に殺していきます。そして最後にはこの女の子はその「お友達」の種族に入ることを選ぶのですが・・・そう、そのお友達は怪物的エイリアンなのです。そして、このエイリアンの設定は妖精を強く意識していました。(さすがウェールズ!妖精が、可愛らしい子供を誘って仲間にするなどというモチーフもそのままですよね。)

そのままこのドラマのことは忘れていましたが、先日妖精のお話がmixiで出た日が、ドラマの放映日だったので、ふと思い出してテレビをつけました。その日の物語は、死者をよみがえらせる話だったのですが、その死者が実は死ぬずっと前から蘇りをかけてプログラムを仕掛けておくという設定。そのプログラムに使われていたのが、Emily Dickinsonの詩だったのです(あー、長い説明だった)。謎に満ちた、私の大好きな作品、"Because I could not stop for Death"。「私は死のために立ち止まることができなかったので、死が私のために親切にも立ち止まってくれた」で始まる詩。マサチューセッツ州アマーストに生きて、そしてその地でなくなった詩人ですから、(彼女自身の信仰はともかくとして、)とても宗教的なモチーフが多いのですが、この詩も死というものを「死との結婚」というイメージでとらえています。ひとりの人間は死を迎えますが、人類としての全体の人間は、死を超えて世代が続いていくという円環のイメージでつづられます。東洋的な思想でもありますよね。誰にも知られず、今で言う引きこもりのような状態になって、自分のためにだけ詩を書き続けた独創的な詩人。久しぶりに読み返したくなりました。

写真は、ハワース牧師館のステンドグラスです↑。
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by ellisbell | 2006-12-11 01:55 | literature
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