Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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My Fair Lady

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今日のケンブリッジは久しぶりの晴れ間。

お昼に待ち合わせて行ったのは、city centreのAuntie's tea shop。サンドイッチとスコーンのセットをいただきましたが、ここはボリュームたっぷりでいつも食べきれず、今日もお持ち帰りしてしまいました。いかにも手作りといった大きなスコーンを持って、でも今日は直帰せず、まずはマチネの観劇です。演目は、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」。ケンブリッジのArts Theatreでやっています。ここはcity centreにあるこぢんまりとした劇場です。2時過ぎに入ったところ、周囲にはたくさんのお年寄りが座られていました。そして子供たち。誰でもマチネを気軽に見に来ているのがいいですね。コンサートなどもそうですが、舞台芸術が何ら特別なものではなく、誰でもが楽しんでいるのがこの街のいいところです。土曜日ということもあって、ぎっしりと席の埋まった満員の舞台でした。

いよいよ始まり。オーケストラがテーマソングを奏で始めると、後ろの女の子達がハミングを始めます。みんなよく知っているのね、と思っていたら、彼女たちは途中から実際に小さな声で歌ったり、手を叩いたりと楽しんでいる様子。「マイ・フェア・レディ」はとても愛されている舞台なのですね!物語はよくご存じの通り、花売り娘のイライザのコックニー訛りを、音声学の教授であるヘンリー・ヒギンズがうまく矯正して上流階級の人々をだませるかどうか賭をするというもの。最初の場面は、まさに先日ロンドンで訪れたコヴェントガーデンです。cockneyとはSt Mary-le-Bowの鐘の音が聞こえる辺りで生まれた人たちがしゃべる言葉とされていますが、れっきとした下町言葉(寅さんがしゃべってる浅草弁と同じかしら?)。これも言葉が階級を表す英国文化を背景にした劇です。下層階級の花売り娘が、訓練して素晴らしいRP(あまりに素晴らしすぎて、「彼女の英語は完璧すぎて英国人ではないはずだ!」と言われるくらい)を身につけるというプロットに、そのトレーニングを介して、その教授と彼女が恋に落ちるというラブロマンスが組み合わされています。G.B.Shawの「ピグマリオン」が原作ですが、確か原作では最後にイライザは自分の生まれた階級に戻ることを選択するのだったと思います。ハリウッドが舞台化した時に、わかりやすくメロドラマチックな恋物語に仕上げた舞台。「ティファニーで朝食を」もそうですね。原作の終わり方を恋物語に変えてしまうというのは常套手段です。なぜ「ティファニー〜」を思い出したかは言うまでもありませんよね。「マイ・フェア・レディ」はオードリー・ヘップバーンの主演のミュージカルが有名だから。(ただし「超」音痴の彼女の歌はすべて吹き替え・・・オードリーは一生懸命練習したそうですが、結局口パクになってしまったのですよね!)

このあまりにも有名なミュージカル、今日観た舞台も、庶民的でよかったです。周囲の子供たちも気負わず一緒に楽しんでいたし、もちろんロンドンの一流劇団にはかないませんが、それぞれのキャラクターがいい味を出していました。ただ、気の毒なのはイライザ役(主役)。21歳の女の子を演じるには、ちょっぴり歳を取ってちょっぴり太めの体型だったのですが、何よりやっぱりオードリーの印象が強すぎて、何となくイメージが違うなぁと思ってしまいます。(メディアの印象ってすごいですね!やっぱり。)花売り娘が驚くほどのfair ladyになるのですから、見た目も大事と言えば大事なのですけれど・・・オードリーって大好きなのですが、やっぱり素晴らしくオーラのある女優なのだと改めて思いました。映画の中でも彼女の印象だけしか残らないくらいの、そして誰もが彼女に恋をするのは当然だと思わせるくらいの、存在感。やっぱり大女優ですね!それでも、とても楽しい舞台でした。一番感じたのは、これはやっぱり言葉の劇だということ。とてもおもしろいやりとりが絶妙で、さらに形容詞をぽんぽんぽんと並べて笑わせたり、「言葉」が実際に主役の劇なのです。もちろん、情けないことですが、最初のコックニーの辺りは私にはほとんど何を言っているのか分からず。でも不思議にリズミカルで、とても音楽的です。役者さん達のやりとりもとてもおもしろく、それぞれに味のあるキャラクターがたくさん出てくる、楽しい劇でした。

今日の写真は、昨日の写真と同様、F&Mのアリス。哲学的なイモムシとの会話(who are you?っていう有名なやつですね)。本当によくできていますよね。かわいらしさと同時に、アリスの世界の底を流れるグロテスクさが感じられる素晴らしいディスプレイです。
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by ellisbell | 2006-12-03 07:37 | literature
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