Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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Requiem

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St. John's Collegeの聖歌隊が歌うモーツァルトを聴きに行ってきました。

これも、Cambridge Music Festivalの演目の一つ。St.John'sの聖歌隊はKing'sと人気を二分し、こちらの方が上手だという人も多いので、とても楽しみでした。しかも、曲目は大好きなレクイエム。夜の9時半からのスタートですが、大きなSt.John'sのチャペルは人でいっぱいでした。St. John'sは礼拝時以外、前室に入れてくれないので、初めて大きな天井の下にある祭壇に近づきました。天井がとにかく高く、とても素晴らしい装飾画が描かれています。そして順番に入ってくるのは、オーケストラ、男声女声の合唱団、そしてソリスト達。チューニングの音で気持ちも高まります。

最初の音で、感動しました。素晴らしい。音響効果が素晴らしくて、身体全体を揺さぶるような感覚の和音の響きでした。身体全体というか、自分の身体の中身だけ、グッと捕まれて揺さぶられているような感じです。音楽って、どうしてこんなにダイレクトに心にそのまま訴えかけてくるのでしょう。少しオーケストラの音が強すぎるように思いましたが、古楽のレクイエムを聞き慣れているせいもあるのでしょう。宗教音楽は、やっぱり教会で聞くとひときわ素晴らしいように思います。聴覚だけでなく、視覚も、おそらく空気感という点では触覚も、すべてをゆだねられるような空間に響き渡るレクイエムは、言葉を奪うほど素晴らしかったです。余韻が消え去るまで身動きもできない感じでした。教会全体が荘厳な雰囲気で包まれていました。そして、おそらく、前日のハワース体験が後を引いているのでしょうけれど、その日、二度目に、自分がケンブリッジという場所にいて、実際にこのコンサートを聴いていることがなんだか信じられないような気持ちになりました。モーツァルトのレクイエム、やっぱり素晴らしい曲ですね。音楽がこのように人の心をダイレクトに揺さぶり、そして表現しがたい感動を与えてくれるのはとても素晴らしいことだと思います。

そして、もう一つ思い出していたのは、St.John'sでこの5月に、映画「エリザベス」の続編を撮影していたこと。「エリザベス」はなかなかよくできた映画だと思いますが、一番最後に、さまざまな裏切りと葛藤を経験したエリザベスが、ひとりの女性であることをやめて、「女王」として生きるために、髪を切り、特殊な化粧を施すシーンがあります。彼女の腹心の侍女は涙を流しながら彼女の変身を手伝いますが、その時に流れる音楽がこのレクイエム。女性、そしてひとりの人間であることをやめることによって、彼女は限りなく女王として神の存在に近づこうとします。だから人間としての彼女の死に捧げられるのがこのレクイエムであり、音楽が見事に彼女の精神状態を表しながら観客を一気に映画のクライマックスに引き込む瞬間です。音楽の持つ力って本当にすごいですね。改めて、音楽の素晴らしさを感じた夜でした。
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by ellisbell | 2006-11-19 05:19 | Cambridge life
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