Under the English Sky |
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今日も一日曇り空、そして今は冷たい雨が降っています。 今週から、Cambridge Music Festivalという催しが始まっていて、今夜は世界的に有名なKing's Collegeの聖歌隊のコンサートに行ってきました。地元密着型の音楽祭ですから、行われるコンサートも小さくて、コレッジや教会の催しも多く、敷居の低い音楽会があちこちで行われています。キングスの聖歌隊は、10年前に知り合いの先生がケンブリッジにいらっしゃるときに連れて行っていただいた時にとても感激したので、こちらに来るお友達で時間がある方とは、時々evensong(夕べの礼拝)にご一緒したりします。コレッジのチャペル(真ん中にそびえるのがチャペル)↑は壮麗で、外から見ても本当に美しい、ケンブリッジを象徴する建物ですが、中はまた素晴らしいのです。最近の英国は4時半には日が暮れてしまうので、8時スタートのコンサートというと、本当に夜の真っ暗な中をコートを着込んで聞きに行くという感じ。それも冬らしくていいですね。 モーツァルトの生誕250周年を世界中で祝っているのに乗じてか、音楽祭全体がモーツァルトを組み込んでいるようです。今日もモーツァルトで始まった歌声は、少年聖歌隊を組み込んだり男声聖歌隊だけで組織したりと曲目ごとに構成を変えながら、1時間15分続きました。ケンブリッジ出身のSwayneという現代音楽家の曲も入り、本当にバラエティ豊かです(パンフレットによると、彼の60歳のお祝いも兼ねているらしい)。初めて聴いた作曲家ですが、不協和音を巧みに使いながらチャペル全体をふるわせるような音を構成していく、おもしろい曲でした。そして最後にバッハ。さすがに宗教音楽を専門とする聖歌隊ですから、本当に感激的にきれいな歌声でした。人間の声がこんなにも変化して、そして一つの大きなうねりのようなものを作り上げていくのを感じていると、本当に宗教的体験というのがとても原始的なものなのだと感じられます。この聖歌隊自体はたくさんCDも出しているし、男声聖歌隊のOBはプロになることも多く、少年聖歌隊の方は、キングス付属の小学校で構成されているのですが、声のいい子供は授業料が免除になる(らしい)くらい、世俗的に組織されて成功している聖歌隊なのですが、やはりその美しい歌声は、チャペルの中で聴くと心に響く素晴らしさを持っています。(CDも持っていますが、やっぱり本物が一番!)石造りの、ものすごく高い天井は素晴らしい音響効果を持っていて、最後の和音が消える余韻を美しく響かせます。教会や大聖堂は大好きで、その建築とともに中の美術品やステンドグラスを見るのも好きなのですが、やっぱりミサに参加したり、実際に教会の聖歌隊のコンサートをその場で聴くと、宗教的体験というのが実際に五感に訴えかけ、直に人の心を揺さぶるものだということを再認識します。そしてそうでなければこんなに長い間、キリスト教芸術が続いているはずがないのでしょうね。その美しさに感激した天才が、また美しい音楽や彫刻や建築を作り出していくという連鎖によって、キリスト教文化って成り立ってきたような気がします。信者でもない私は、聖書を文献として読むこととはまったく別の次元でキリスト教芸術を素晴らしいと思うのですが、今日も西欧キリスト教文化の層の厚さを再認識しました。日本の神社仏閣も、お茶の世界も、座禅を組むのも、大好きですが、やっぱりヨーロッパのキリスト教文化もとっても素晴らしいですね。英国国教会がいい加減な宗教改革で良かった☆(国教会は一応プロテスタントですが、ヘンリー8世の個人的な理由による宗教改革だったので、カトリックの影響がほとんどそのまま残っています。やっぱり偶像崇拝を認める=たくさんの絵画や彫刻を残しているカトリックの方が、美術的に見るものが多くて、私は(教義的問題云々を別にして)カトリック国大好きです☆)次は、大好きなモーツァルトのレクイエムを、St John's College Choirが歌うのを是非聴きたいなぁ♪寒いけれども、楽しみの多い冬の夜です♪
by ellisbell
| 2006-11-09 08:23
| Cambridge life
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