Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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アイルランド(アラン諸島編)

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ついに、ヨーロッパの西の果て、アラン諸島までやってきました。

そう、漁師の着た、あの独特の網目模様を持つセーターで有名な、絶海の島々です。ゴールウェイからロッサヴィールという港まで車で出て、そこに車を置いてフェリーに乗ります(車乗り入れ禁止の島です)。アラン諸島は3つの島から成りますが、最大の島、イニシュモアへ向かうフェリーは40分くらい。沖に出ると大西洋の荒波がかなり強く船を揺さぶります。周囲の人はみんな風よけのマウンテン・パーカーのようなものを着込んで重装備。私は長袖Tにカーディガン、ストールという出で立ちです。港からもうすでに大後悔。風が、すさまじく、強いのです。夏とは思えない気温。(そういえば、ダブリンでも風が強くて寒かったです。やっぱり小さい島なのですね、アイルランド島は。しかも英国より北にある。厳しい地理的条件なのです。)

c0105386_5344239.jpgしかし、素晴らしいところでした。今回の旅程中、もっとも感激的な場所。まずはその島が、ケルト文化の中心とでも呼ぶべき場所であること。アイルランドには、ゲール語が日常的に話されている場所は数カ所しか残っていませんが、ここはその一つです。その証拠に、ゲールタクト(ゲール語を話す地域を指す)という看板が船着き場に立っています。看板や標識がゲール語であるだけでもすでに感激的なのに、実際に、島をまわるためにミニコーチに乗ったら、その運転手さんは隣の運転手さんとゲール語で会話していました。そして、何より、その島が岩ばかりの厳しい自然をそのまま残していること。石灰岩でできた島で、岩の間に海藻をおいて土を作ったと言われていますが、本当に岩ばかりで、すさまじい風が吹き付けてきて、ものすごく厳しいその自然環境がとても印象的でした。その中にある石垣で囲まれた牧場(の跡というほうが正しいのかもしれない場所)や、吹きすさぶ強風に耐えながらぽつぽつと立つ茅葺きの家は、きっと、一生忘れられない風景でしょう。本当に印象深いところでした。この中で、漁をするしか生活の手段のなかった漁師達が、荒波と強風に耐えるためにアランセーターを着て、そのセーターにあの独特の、それぞれに意味のある模様が編み込まれ、代々受け継がれていったのですね。残念ながら、今ではこの島は800人ほどしか人口がなく、ミニコーチの運転手さんの話では、産業がないためにほとんどの若い人たちが島を出て行くそうです。さらには住宅規制があるために新たに移住する人もいないので、アラン島には未来はないと、彼は嘆いていました。去年から1年で100人も人口が減ったそうです。この独特の伝統文化がいずれ消え去ってしまうかもしれないことがとても残念です。

c0105386_5353723.jpgイニシュモアの最大の見所は、なんと言ってもドン・エンガスという先史時代の遺跡。一説では3000年も前に作られた遺跡だとか、遺跡といっても単なる石垣で囲まれただけの要塞なのですが、その砦の先は90メートルの断崖になっています。本当に、正真正銘の、断崖です(この写真は何か。もちろん、真上から見下ろした断崖絶壁です!!)。これはすごい迫力。この島は何から何までホントに迫力があります。今回の旅行でいろんな崖を見ましたが、いくら高所大好きの私でも、これはホントに、文句なしに怖かった。垂直な崖なんて初めて見ました。みんな落ちないように腹ばいになって下をのぞき込みます。崖っぷちが岩盤だから可能なことなのです。土だったら崩れてしまって崖っぷちを上からのぞき込むのはかなり不可能に近いでしょうから。強風が吹き付けて、こんなところは世界にもほかに類を見ないだろうとしみじみ感じ入りました。っていうか、日本だったら絶対柵で覆ってしまってこんな風にはしてないだろうな。危なすぎます。死にます、これは。子供には注意してねっていう看板だけっていうのが、さすが自己責任のヨーロッパ・・と変なところでも感心しました。何のために作られたのかはよく分かっていないようですが、いずれにしてもものすごい迫力でした。

それから、七つの教会と呼ばれている廃墟を見ました。すでに廃墟となって久しく、荒風のせいで教会跡すら2つしか残っていませんでしたが、青い空と大西洋を背景に、崩れかけたハイクロスがそびえる姿はとても感慨深いものでした。苛酷な自然と、それにあらがう人類と。世界にはこのような場所もあるのですね。本当に言語を絶する、絶海の島という感じでした。アイルランドをまわった旅程の中でも、本当に、一番印象に残った島でした。お次はリムリックからアイルランド本島の断崖を見に行きます。
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by ellisbell | 2006-08-17 05:33 | trip
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