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Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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Ely

Ely_c0105386_8305060.jpgケンブリッジ郊外に、美しい大聖堂で有名な街があります。

イーリー。7世紀に建てられた修道院を元に、14世紀に完成された壮麗な大聖堂を持つ街。ケンブリッジからは電車でわずか15分ほどの場所にあります。テレビのBBC2で、今日、イーリーの大聖堂を扱った番組をやっていました。英国"seven man-made wonders"の東部編。(その番組では、ずっと行ってみたいと思っている、サフォークのLavenhamという中世そのままの街も扱っていたし、へんてこりんな三角形の建物、Triangular Lodgeなる奇妙なfollyの映像もありました。follyというのは、何に使われているのかよく分からない塔のようなものだそうで、英国各地にいろんなのがあります。うぅ、見てみたい!)先月、イーリーの大聖堂に行った時の感動を思い出しました。

確かに有名な大聖堂で、一説によるとフランス、シャルトルの大聖堂と関係があるそうです。先日、ケンブリッジで映画(「エリザベス」の続編)の撮影をしていたケイト・ブランシェットも、次にイーリー大聖堂で撮影をするとラジオで言っていたので、数多くの映画にも使われている建物なのでしょう。行ったのは7月だったので、まだまだ強い日差しが照りつけていましたが、大聖堂は駅から歩いて20分ほどのところにあります。駅から歩いていく道も、1本しかないから迷いませんが、ほとんど車も走っていなくて、何もない穏やかな田舎町という感じのところです。歩いている時、家の中でのんびりと外を眺めていたおじさんと目があうと、ニコッと手をふってくれるようなのどかな街(一応、村ではなくて街だと思います)。少し歩いていると、大聖堂のてっぺんが見えてきます。小さな街にしては驚くほどの、壮大な建物↑。ロマネスク様式の美しい、街のシンボルです。

Ely_c0105386_831515.jpg装飾が施された入り口をくぐり、大聖堂内部に入ると、ひんやりと涼しく、ボランティアの教会員さんとおぼしきおばさまがにっこりと迎えてくれます。今日の番組でもやっていましたが、この大聖堂は本当に地元とともにあり、地元の住民があれこれとお花の手入れをしたり、壮大な建物内の彫刻のほこりを払ったりしているそうです。人々が誇りを持ってその運営に携わるような、そんな地域に根ざした教会だというのも素敵ですよね。入ってまず見えるのは長い身廊。天井にはさまざまな絵が描かれ、大聖堂の中心には八角形の塔、オクタゴンがあります。ガイドツアーで上れるようですが、残念ながら時間が合わず断念。もちろん、例によって、ヘンリー8世の修道院解体の時に多大な被害を受けたそうですが、19世紀から修復が始まり、今では美しいそのままの建物を見ることができます。そして、この大聖堂はステンドグラスが有名なのです。次々と現れる美しいステンドグラスに思わず見入ってしまいます。ゆっくりとまわりながら、日の光を受けて輝くステンドグラスを見ていると、この国がプロテスタントであることを忘れそうになってしまいます。

Ely_c0105386_8312245.jpgこの大聖堂のもう一つの楽しみは、併設されているステンドグラス博物館。共通チケットを買いましたが、博物館はとりあえず外でランチをしてからにすることにして、town centreを歩いてみます。小さな街なので、メイン・ストリートもこぢんまりしてかわいらしいところです。目についたパブのようなところで、サンドイッチとチップス、ミネラルウォーターの昼食をとって、再度ステンドグラスを見に戻りました。博物館には、英国各地からの古いステンドグラスから年代順に、たくさんの作品が並んでいます。併設とは言っても、大聖堂内部の回廊ですから、光の入り方が柔らかく、雰囲気満点です。そして、モリス協会のステンドグラスなど、美しい作品を楽しみ、ゆったりと和やかな気分に浸ることができました。(この博物館ではステンドグラスの教室などもやっているようで、思わず参加してみたくなりました!)

そしてもう一つ、この街はオリバー・クロムウェルが住んでいた街。ピューリタン革命でチャールズ一世を処刑し、アイルランドを侵略したクロムウェル。もちろんイーリーの大聖堂も破壊したそうですが、彼の家は今はインフォメーション・センターになっています。いかにも中世風の、木組みで白壁のきれいな家。こんな小さな街にも、小さな街なりのいろいろな歴史があるのです。機会があれば、また訪れたい、素敵な街でした。
by ellisbell | 2006-09-01 08:29 | trip
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