Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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ディケンズの家とブルー・プレート

c0105386_8274194.jpgロンドンの街を歩いていると、時折、家の外壁に青い陶板がかけられているのを見かけます。

これはブルー・プレート。ロンドンに住んでいた、政治、文化、芸術等の分野で優れた業績を残した人々の家を示しているのです。ケンジントンの辺りをふらついていると、次々に見かけるブルー・プレート。寡聞にして知らない名前も多々ありますが、あ、ブルー・プレートだ、と思うと思わず寄っていって誰の名前か見てしまいます。Virginia Woolfだの、G.K.Chestertonだの、J.E.Milletだの、文学(芸術)関係だと思わず小躍りして写真を撮ったりしてしまいます。そこに、誰が何年から何年まで住んだかが書かれていて、そうかぁ、この人はこのような家で暮らしたのかぁ、と感慨深いものです。100年前の家が「新しい」と見なされるこの国では、例えばストラットフォードではシェイクスピアの家なるものが残っているし(シェイクスピアは1564年生まれ・・・「シェイクスピアは、ひとごろし、いろいろ(1564-1616)」と覚えましたね?英文科の皆さん(笑))、昨日もちょっと触れたLavenhamにはその名も「曲がった家(crooked house)」などというすさまじく古い家々も立ち並んでいます。地震がない国っていいですよね・・そして、すごいなあと思うのは、例えばブルームズベリーにあるVirginia Woolfの家などには、今も人が住んでいるということです。そう、ブルー・プレートのついた家にも、現在住人がいて、昔ウルフが「自分自身の部屋」を書いただろう部屋で手紙を書いたりしているのです!!なんとソーホーでは、「モーツァルト」のブルー・プレートまで見られるそうですが・・わずか一年でも滞在は滞在ですものね(笑)。

先日、ロンドンで時間を作って、ブルームズベリーにある、作家Charles Dickensの家に行ってきました↑(これがブルー・プレート)。大英博物館のそば、ラッセルスクエアから歩いて10分ほどの、閑静な住宅街にあります。現在は、The Dickens Fellowshipが所有しているため、博物館として公開されている建物。引っ越しの1年前に結婚した妻と長男と一緒に、世間的成功を納めつつある作家として移り住んできた、この家(48 Daughty st.)。彼はここで、「オリヴァー・ツイスト」と「ニコラス・ニックルビー」を書いたそうです。

小さな家ですから、ベルを鳴らして入れてもらわなくてはなりません。1階の一番奥の部屋がちょっとしたギフトショップを兼ねた受付になっていて、そこでチケットを購入します。地下室を入れて4階建ての家。「好きなところから見てください」とのことなので、1階から順にまわりました。それぞれの部屋に説明がついていて、文豪が愛用した品々が飾ってあります。一番の見所は2階の客間でしょうか。c0105386_8283242.jpg世間的な成功を収めつつある作家として、とてもプチブル的なお部屋だなぁと思いました。そう、すべてがブルジョア的。家中がこまごまとしたもので飾られ、ディケンズ自身が愛用した家具などもいかにもヴィクトリア朝的な装飾過多のものが多い印象。人々をたくさん呼んでお食事会などをしばしば催した様子が、よくうかがえます。文豪らしく、これがないと執筆できないという、机の備品などもそろえられています。そして原稿。ディケンズは自分が有名になって、原稿が価値あるものになると気付いてからは、原稿を大事にしたと説明にありましたが、その辺りもとてもブルジョア的ですよね。ヴィクトリア朝の中流階級にもっとも愛された文豪は、やっぱり自身がブルジョア的な趣味を持っていたのだなぁと、おかしくなりました。

c0105386_829299.jpgもう一つ目についたのは、驚くほどたくさんの肖像画が残されていること。写真も含めて、彼自身と奥さんの肖像は、ほとんど毎年のように描かれています。そしてそれを文豪自身が飾っておいたのです。当時肖像を描いてもらうというのはステータスだし、彼自身も誇らしく自分の肖像を家に飾って、訪れる客人に見てもらったのでしょう。英国人に今ももっとも愛されている文人の一人であるディケンズ。私が行ったのは午前中という時間帯にもかかわらず、年配のおじさまやおばさまたちが、3階の企画展をゆっくりと見て回っていました。人気は不滅なのですね。もっとも英国らしい作家といえば言えますよね、ディケンズは。英国らしいというか、ヴィクトリア朝らしい。人気のほどがうかがえる、そして、彼の人となりをかいま見せてくれる家でした。
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by ellisbell | 2006-09-02 08:26 | literature
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