Under the English Sky


英国、ケンブリッジでの生活で感じたことを書いていこうと思います。
by ellisbell
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湖水地方

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英国人がその名を聞いて目を細めるお気に入りの場所、イングランド北部、湖水地方に行ってきました。

言うまでもないことですが、いわゆるイギリス(UK)というのは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの地域から成っています。それぞれが独自の文化を持ち、独自の言葉を持ち、緩やかな連合体を形成している、それがイギリスという王国なのです。ユニオンジャック(イギリス国旗)はその象徴。それぞれの地域の守護聖人を表す旗を組み合わせた連合王国を象徴する国旗なのです。(ウェールズは別。13世紀に吸収されているからでしょうね。)で、湖水地方はイングランドの最北部、スコットランドとのボーダーはすぐ近くです。(ボーダーはカーライルという街なのですが、その近くにはローマ遺跡のハドリアヌスの城壁があります・・これも見たかったのに、日程と旅程から断念、残念!!)ちなみに西部でもあるので、アイルランド海に浮かぶマン島もすぐ近く。これも独自の発展を遂げたケルト系の島で、行ってみたいところです。ピーターラビットの舞台ということで、日本人にも人気のある観光スポット。もちろん英国ロマン派の創始者、桂冠詩人ワーズワースの暮らした地方でもあり、お墓フェチ第二弾の目標もちゃんと達成しなくてはなりません。

ロンドンはユーストン駅からVirginの運営する電車で湖水地方へ。最近英国でも商売上のボーダーレスが進んでいて、スーパーが保険を始めたり銀行を始めたり電話会社を始めたり、いろいろです。Virginはもちろんあのレコード会社。航空会社もやっているからそれも有名ですよね。きれいな、冷房付きの、電車でした。

もう一度言います。冷房付きの、電車でした。

あり得ない。イギリスで冷房の効いた電車に乗れるとは!オクセンホルム駅まで3時間、冷房のない生活に慣れた身体がおかしくなりそうでした。英国人運転手さんに案内してもらいます。まずはウィンダミア湖。起点となるボウネスのほぼ対岸にあるニア・ソーリーの村でピーターラビットの作者、ベアトリクス・ポターのヒルトップ農場へ。のんびりゆったりとした田舎です。かわいらしい花が咲き乱れ、石造りの家とドライ・ストーン・ウォールと呼ばれる石の壁に囲われた羊たちがのんびり草をはむ合間に、その農場はありました。彼女はナショナルトラスト運動家としても有名ですが、さすがに湖水地方はナショナルトラストのお膝元、美しい自然がそのまま残っています。湖水地方に行くと言ったら英国人がみんな、絶対気に入るよ!と断言していましたが、本当に息をのむほどきれいな場所です。ウィンダミア湖は全長17kmの細長い湖で、北端アンブルサイドから中間ボウネスまでレイククルーズをしましたが、たくさんの水鳥が舞う、美しい景色を堪能できました。
c0105386_20164664.jpg湖水地方は、イングランドでは珍しい、標高1000m級の山を持つ地域です。緑の山々と青い空が湖に映りこんで、本当にきれいです。今がベストシーズンなのでしょうね。大きな湖もきれいですが、私が一番美しいと思ったのは、ニア・ソーリーのそばにある、エススウェイト湖。実際にはたくさんの細長い湖(氷河に削られてできたからだそうです)がある湖水地方では、ケズウィックの北にあるバッセンスウェイト湖(Bassenthwaite Lake)以外は、lakeという呼称がつかず、湖を意味するmereやwater、tarnをつけて呼ばれます。大きな湖もいいですが、Esthwaite waterのような小さな湖は、ほとんど波がなく、湖面が鏡のように周囲の景色を映し出して、絶景となります。ワーズワースが自然を賛美したのも、ポターがナショナルトラストを推進したのも、この湖と山々を見ているとなるほどとうなずける、そのような場所でした。すがすがしい美しさでした。

グラスミア、ダーウェント湖、コニストン湖など9つの湖を周り、最終日にはボウネスから南端のレイクサイドまでクルーズ、そしてハバースウェイトまでの蒸気機関車も楽しみました。さらには2日目に、キャッスルリッグというストーンサークル(巨石群)も見ることができました。ストーンヘンジよりも小さいですが、周りが山々に囲まれた素晴らしい眺めで、ここにも地霊が宿っているのかと感慨ひとしお。ワーズワースが詩に読んだ水仙の季節ではありませんでしたが(あの詩は素晴らしい。ぱっと視界が開けてgolden daffodilsの大群が目に入るその情景が目に浮かぶようです)、山々の緑と晴れ渡った青い空、そして美しい夕焼けまで楽しめて、素晴らしい風景でした。 c0105386_20171068.jpg

そして、お墓。もちろん行ってきましたよ。グラスミア、聖オズワルド教会の墓地に、ワーズワースとその妻メアリ、妹ドロシーが並んで眠っていました。またもや写真をぱちり。そのお隣のジンジャーブレッドの味見もして、静かで穏やかで美しい湖水地方を堪能しました。暑かったのが大変でしたが、帰ってきて、どうだった?よかったでしょう、と聞く英国人に、素晴らしく美しかった!と感嘆符付きで答える結果となりました。ふふん、やっぱり、と誇らしげな彼らの顔を見て、英国人の愛する大自然が、湖水地方なのだと実感。北海道や信州に少し似た光景ですが、フラットなイングランドでは本当に風光明媚な場所とされる湖水地方。やっぱりイギリスは田舎が一番です。人も親切でおじいちゃんおばあちゃんが多く、B&Bでもスタッフはとても感じのいい人たちで、あちこちの記念館ではスタッフの方たちが優しくいろいろ話しかけてくれました。のどかで美しい地方でした。
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by ellisbell | 2006-07-30 20:13 | trip
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